えぴそーど19
電車はやがて、ヨロハマに到着する。
ここでも大勢の人が降りていった。
ヒ「ここはどんな街なんだろう?」ワクワクしながらヒナタはキョロキョロした。
ヒ「ねぇ、ヨロハマには何があるの?」とヒナタは道行く人を捕まえて尋ねてみる。
男「なんだい君は?僕は忙しいんだよ。
これから彼女とデートに行って、昼は話題のレストランで映え写真を撮りながら舌鼓を打ち、夕方には先輩と美術館で優雅な同窓会なんだからさ!」
ヒ「あ、はぁ(汗)」
ヒナタはめげずにさらに話しかけてみる。
女「私は忙しいのよ!
これから友達と大観覧車に行って、昼は中華街でフカヒレスープを食べ比べして、その後はワカサキのデパートで水着を買って、そんで海水浴に行くんだから!」
ヒ「ホントに忙しそうだ(汗)」
駅を出ると、ターミナルの前には大きな看板が掲げられていた。
「セレブな街ヨロハマへようこそ♪」
カ「なるほど。オシャレ自慢の街なんでしょうね」
ヒ「え?港街じゃなかったの?」
ミ「昔から港街なのよ。外国からの船がよく出入りしたから、舶来物を輸入したり、外国っぽいデザインの館が出来たりして、セレブの集まる街になったのね」
ヒ「ふうん。外国行きの船はどこ?」
カ「駅からは遠いでしょうよ」
街を観光しながら港を探すことにするか。
大通りには立派な店がたくさん立ち並んでいる。
すると、ヒナタが何かを見つけた。
ヒ「あれ?あの人さっき駅で話しかけた人だ!」
忙しそうにしていた男が、彼女らしき女性を連れてレストランに入っていく。
ピカピカに磨かれたガラス張りのオシャレな店だ。
彼の様子を無意識的に目で追っていると、カンナが店内に何かを見つけた。
カ「あぁ!人気俳優のヨッシーがご飯食べてるー!」
ヒ「えぇ?カンナ芸能人とか興味あったの?(;´・ω・)」
カ「あまりないわよ!でもヨッシーはカッコイイじゃない♡
ヒナだって好みでしょ?ああいう顔」
ヒ「えぇ?口が臭そうだよ」
カ「えぇ?爽やか顔じゃなーい♡」
ヒ「酒好きで洋食好きなオトコは口が臭いんだよ(´_ゝ`)」
カ「まぁ、そうかもだけどぉ(汗)
・・・はぁあ。ヒナのせいで一気にヨッシーに冷めちゃったじゃないの」
ヒ「アタシのせいだけじゃないよきっと~。
だってオンナ口説いてる顔がなんか下品じゃん!自慢話ばっかしてんだよあの顔は~。
爽やかなのは画面の中の演技にすぎないのさっ!性格悪そうだぜ」
カ「えぇ~ヨッシーが性格悪いなんて信じたくなかったなぁ~(泣)」
ミ「うふふ。でもヒナの言うことは正解かもね。
高級レストランや高級ホテルを好む人って、スタッフが腰低く対応してくれることに酔いしれてるのよね。それってつまり、人を隷属させることに快感を感じてるのよ」
カ「ふうーん。私の白馬の王子様って、セレブな場所にはいないってことなのかな~。こういう店でイケメンとデートしてる自分に憧れてたけど・・・」