えぴそーど20
なおもおしゃべりしながらヨロハマの街を歩く。
すると、不意にビル風が、カンナの帽子をふわりと飛ばした!
「あ!」と皆が追いかけると、なんとノラ猫がその帽子を口にくわえて、走り出した!
ヒ「待てムーン!」皆で追いかける!
カ「ヒナ知ってる猫なの?」
ヒ「いいやアタシならそう名付ける!」
ミ「作者の領域を侵害するヒロイン(^▽^;)」
セ「ねこちゃんねこちゃん!」
すると猫は、角を曲がった先のパチンコ屋へと入っていった!
ヒ「ぐわーパチンコ屋!」ヒナタはこうしたやかましい場所はキライだ。だけど仕方ない。皆はパチンコ屋に入っていく。
ヒ「むわータバコ臭ぁ!」
ミ「なんでパチンコ屋なんか入ったのかしら!?」
カ「私の帽子!私の帽子!」
セ「ひゃーあ!」パチンコ屋のものすごい騒音に、セナは耳をふさいでいる。
ヒナタは率先して真ん中のレーンを駆けていく。するとそのレーンでパチンコを打つ男が、何かゴネて叫んでいる。
男「ちっくしょうあの打ち子、デマ教えやがったな!ちっとも当りやしねぇじゃんか!」
ドカっ!パチンコ台を蹴り飛ばしている。
ヒ「うわぁー、人間のクズだぁ。近寄りたく無ぁ(-"-)」と思ったが、どうしても目が留まる。そして、ヒナタは思いがけず青ざめる・・・!!
ヒ「・・・て、パパ!?」
男は振り返る。ヒナタを見て驚く。
男「ひ、ヒナタか!?」
ヒ「10年前、魔王を倒すために旅立ったんじゃなかったの!?なんでこんなとこでパチンコなんかやってんのよ!!Σ( ̄□ ̄|||)」
カ「ヒ、ヒナタのおとうさん・・・?」カンナもミサトも、憐みの目で親子を見やる・・・。
男「いやぁこれには事情がっ!!」
ヒ「おおかた船に乗るお金がなくてギャンブルしたんでしょ!それで抜け出せなくなったんでしょ!」
男「うっ!」
カ・ミ「図星かいっ!Σ( ̄□ ̄|||)」
ヒ「もういいよ!パパなんか絶縁!
ていうかこんな家族のためにアタシ、介護とか絶対にしないんだからね!そのためにも絶対に家になんか帰らないんだから!」
ヒナタは思いがけず、遥かなる冒険への決意を確固たるものとするのだった!
すると、そんな衝撃的な親子の再会を無視するかのように、セナがひょこひょこと歩き出した。
ミ「あ、待ちなさい!」
セナはさらに小走りで、どこかへ進んでいく。レーンを突き当り、そして店の奥へと進んでいく。
ミ「ちょっと、待ちなさいったら!」ヒナタとカンナも追いかけていく。もう父のことはどうでもいい。
セナが歩く先には、景品交換所があった。
そしてその窓口の下で、さっきの猫は大きな魚をバクバクと食べている。
ヒ「まさか、景品交換所に帽子を持っていかれた!?」
そのまさかだった。ノラ猫が珍しいものをここに持っていくと、景品交換所の主はごちそうと交換してやるのだった。人間の欲が、ノラ猫たちを盗賊にしてしまっていた・・・。
カ「あのう、その帽子私のなんです!
その猫が奪っていってしまったんです!」
店主は物分かりがよく、平穏に帽子は返却してもらうことができた。
ミ「それにしてもセナ、どうしてここってわかったの?」
セ「なんとなく?」