えぴそーど26
人情話にふけっていると、この家の小さな男の子が木戸を開け、何気なしにデッキへと出た。
そして・・・
トトトと小走りしたかと思うと、そのまま海へ向かって飛び跳ねていった!
ジャボーーーーーン!!
ヒ「きゃぁーーーー!!
ママ大変だよ!助けなきゃ!」
母「あっはっは!いつものことだよ。暑くなったら海にダイブすんのさ。ウチの自慢のエアコンだよ」
カ「あっはっは!」
すると!
なんと、セナが何も言わずに海に向かって駆けていく。そして、
ジャボーーーーーン!!
ヒ「えぇぇぇぇーーー!!??Σ( ̄□ ̄|||)」
ミ「セナっ!!」さすがにみんな焦る!この家のママも焦る!
皆はデッキに駆け出し、海面を見下ろす!
セ「きゃはははは!たのしい♡」
なんとセナはぴんぴんしている!!!
ミ「この子がこんな楽しそうな顔をするなんて・・・!!!」
一行は改めて、デッキから近くの海と水上集落を見渡した。
穏やかな青空のもと、幾人かの子供たちが同じように海で気持ちよさそうにキャッキャと泳いでいる。小さな小舟が幾つか浮かび、三角帽子をかぶった男たちが釣りをしている。
カモメがカァカァと鳴いている。
ヒ「ヒボンのトキョーとは、ぜんぜん違う世界・・・!」
ジャボーーーーーン!!
きゃはははは♡
そこは、観光地でもなんでもなかった。
寄港地に近い、ただの昔ながらの名もない集落だ。
その母親は村長でもなければ、その男の子は水泳選手でもなんでもない。
それは、ごくありふれた日常だ。