えぴそーど46
その日の夜。
遊びに出かけるネオンもない町だ。一行はいつものように、12時前には就寝した。
しかしヒナタは、ノドが乾いて目が覚め、うるおすものを求めて一人でロビーに降りてきた。そしてテレビを見つける。
ヒ「あ、夜中のテレビなんて久しぶりじゃぁ~ん」
ヒナタは興味をそそられて、テレビのスイッチを点けてみた。
ヒ「おぉ、深夜アニメやってるぅ(∩´∀`)∩」
ヒナタが好きそうなアニメを放映しているのだった。そしてヒナタは、ついついテレビにかじりついて夜更かしをしてしまうのだった・・・。
そして午前4時・・・
ヒ「やばぁ、アニメ終わるまで見ちゃったよぉ。
ってかもう4時だって!早く寝なきゃ!」
慌ててテレビのスイッチを消すと、辺りは静まりかえる。すると・・・
ヒ「うん?人の声が聞こえるような??」
建物の中ではない。外であるようだ。
ヒナタは宿の玄関を開けて外を覗く。外はもう白みはじめていた。
そして、やはり声が聞こえる。
ヒ「歌声・・・?」
こんな時間に歌声が聞こえるなんて妙だ。ヒナタは外へ飛び出してみた。
すると正体はすぐにわかった。
昨日の噴水のところで、昨日のメンザイという女性がまた歌っているのだった。
昼間よりも多くの聴衆が集まっている。酔いしれて手拍子などしている。
ヒ「何やってるんだろう?」ヒナタは近づいていってみた。
メ「オオカミだとわかっていながら~
あなたの誘いに乗ってしまいますぅ~
夜の寂しさにぃぃ~ 耐えられないからですぅ~」
またあの暗い歌を歌っている。
衆「いいぞいいぞ~」
衆「素敵な歌声だわ~」
男「よっしゃおひねりだ!100ゴールド(約1万円)やるぜ」
メ「まぁ100ゴールドも、どうもありがとう♡」
すると、一人の若い女性が儚げに言った。
女「あぁ、死にたい死にたい。おひねりをあげたいけどニートだからお金がなくて」
メ「死ぬつもりなら、財産を残しておいても意味がありませんよ?」
女「そっか、それなら財産からあなたに1万ゴールド投げ銭しますわ!」
メ「まぁいいの?おっほっほ!ありがとうございますぅ。
ウツで死にたいなら、お金を持ってても意味ないですもんねぇ~」
衆「そうかぁ、意味ないなぁ」
衆「メンザイちゃんに投げ銭しよっと!」
ヒ「これって悪徳商売っぽいぃぃぃΣ( ̄□ ̄|||)」
ヒナタは大声をあげた!
メ「は、貴様は!」
ヒ「ウツな人を寄せ集めるためにウツな歌を歌ってたのでは??
そうじゃなくともみんな、あの歌で元気になってないし!」
衆「はっ!オレはメンザイの歌でますますウツになってたのか!?」
衆「わざとウツな人間を集めていたの!?」
衆「ちょっと!さっきのお金返して!」
ヒ「おぉ、みんな目が覚めた!(∩´∀`)∩」
メ「きっさまぁぁ!私の邪魔をしおってぇぇぇぇ!!!」
メンザイは急にオオカミのような顔つきになった!
ヒ「豹変したぁーーーΣ( ̄□ ̄|||)」
メンザイは、怖い顔でヒナタに襲い掛かってきた!
衆「ひゃぁー!」聴衆は散り始めた!
ヒ「やばぁー!カンナもみんなもいないのに!!
むむむ・・・!たまにはアタシが戦うしかないっ!」
ヒナタは意を決した!