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えぴそーど57 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年12月24日
  • 読了時間: 4分

えぴそーど57


ヒ「それにしてもさぁ、カンナも結構いい匂いするけど、何の香水使ってるの?」

カ「私は市販の香水は使ってないわ。どれも匂いが強すぎるんだもの。

 アロマ精油を使って自作してるのよ」

ヒ「おぉ、魔女っぽい(*'▽')」

ミ「何の精油混ぜてるの?一種類ではない気がするわ」

カ「気分でちょいちょい変えるけどね。

 ラベンダーと、ゼラニウムと、レモンが多いかな。あとはオレンジとか」

ヒ「あと3年経ったら真似っこしてみよっと(・∀・)」

カ「今もう変えなさいよ」

ヒ「もうしばらく臭い香水に浸っていたいんだよぅ( ˊᵕˋ* )」

ミ「ま、マゾなの?(^▽^;)」

カ「アンタ王様の言いつけ守ってないんじゃないのよ!」

セ「セナは花びら、つむ♡」



一行の旅は続く。

東南マジマも果てに近い、という噂は本当であるようだった。

だんだんと風土が変わってきている感じがする。

ヒボンから続いていた美しい緑は数が減ってきたし、人の数がやたらと多くてむせかえる。

小さな町でも、人は多い。バスにはその天井や脇にまで人が乗っかって、まるで国をあげてイナバ物置の宣伝でもしているかのようだ。


休息を挟もうと小さな町に寄ったが、町人はこんなことを言った。

男「こんな何もない町で立ち止まるより、もう少し行けよ。

 メッカという大きな聖地があるさ。巡礼者が世界中から集まってくる、崇高な国さ!」

ヒ「あいにくだが、わしは『宗教には興味ない教』のカルト教祖である(・∀・)」

カ「宗教興(おこ)しちゃってんじゃないのよ」

ミ「しかもカルト教祖(^▽^;)」

男「興味のあるなしじゃねぇ!

 なぜ世界中から人が集まってくると思ってんだ?

 メッカの神殿でお祈りしたら、神様が現れて何でも願いを叶えてくれるんだ!」

ヒ「えぇー?うさんくさい( ̄▽ ̄)」

男「デタラメだったらそんな文化が何千年も続きはしないだろ?」

ヒ「うーん?

 チュッパチャップスくらいは貰えるのかな(・∀・)」

カ「神様って、どんな神様なの?」

男「それが、人によって違うらしい。

 神様ってのはいっぱいいてさ。メッカに聖地巡礼した際には、その人にとってのゆかりの神様が現れるんだよ」

カ「ふうん。じゃぁ偽物か本物かもよくわからないわね」

ミ「いいんじゃない。次の目的地ってことで」



さらに1時間もトロデの背中に揺られていくと、メッカという大きな国に到着した。

国というよりは聖都、というものだろうか。

大きな立派な神殿がある。そこに向かって各地から巡礼客が集まってきていてごったがえしている。ところどころにローブを着た者がいるが、神殿の番をしている彼らが住人で、それ以外はもっぱら他国の者たちなのだろう。


セ「しんでん」

セナが不意に言葉を発した。

ミ「そうよ。聖なる建物なんですって」

セ「よごれちゃった。おそうじしなきゃ」

ヒ「えぇ?アタシたちがやることじゃないよ(;・∀・)」

ミ「何を言っているの?おかしな子ねぇ」


とにかく一行は、中枢まで歩いていく。

大理石が敷き詰められた広い庭を抜けると、奥に神殿がある。

そして神殿の中には、大きな祭壇があった。

参拝者たちは祭壇に向かって、何やら拝んで祈りをささげている。

カ「同じようにやればいいのかしら?」

一行は周囲の者たちと同じように、祭壇に向かって手を合わせて祈った。

ヒ「(おっぱいが大きくなりますように!おっぱいが大きくなりますように!おっぱいが大きくなりますように!)」

しばらくの後に一行は顔を上げる。

カ「ヒナ、ずいぶん必死の形相だったけど、何をお願いしたの?」

ヒ「いや、別にぃ~(;・∀・)」

ミ「・・・何も、起こる気配はないわね」

セ「いっぱい神さま しゃべってる」

ミ「えぇ?」

セ「だれか霊のひと いっぱいしゃべってる。

 でも人も神さまも多すぎて 何いってるかわからない・・・」

カ「霊聴でお告げが起こる可能性があるんだわ!

 でもこんなに人でごった返してたら、聞き取れやしないのよ」

ミ「こんなに人がいたら、参拝者の途切れる時間帯なんてありそうもないけど・・・」

ヒ「夜だぁ(・∀・)」

ミ「閉まってから、無断で入るの?」

ヒ「正しく生きてもやれることに限度があるのだよ(・∀・)」

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