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えぴそーど73 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

えぴそーど73


一行は少年ダイチに手を振って、さらに西を目指した。

そして、砂漠の中に栄えるビル群・アブラの国にたどり着いた。

ヒ「うわー、こんな砂漠の真ん中にシンジクンみたいなビル街があるなんて!」

まるで蜃気楼につままれているかのようだ。

しかし人種はシンジクンともニュヨークとも異なる。頭にターバンを巻いていて、男性でもワンピースのような服を着ているのだった。

トロデはビル街の中心までは進んでいけない。一行はまた、郊外に宿をとって滞在の拠点とした。


久しぶりの大都会。ビル街を見上げて歩いていると、大きな街頭モニターに出くわした。そしてやはり久しぶりに、魔王に関連するニュースをやっている。

テ「昨日魔王に襲われたバドイは、もう都市機能を完全に消失しました!

 政治も軍隊ももう抵抗する力はなく、逃げのびる人を応援する以外にありません」

すると、大通りで屋台を出す男がテレビを見上げてつぶやいた。

男「おーお、この辺で一番栄えるバドイもついに壊滅しちまったのかぁ。

 アブラも危ねぇぞそろそろ」

男は大都市の真ん中に、東南マジマのような素朴な屋台を出すのだった。そこで働く地元の男たち向けに、庶民的な食事を提供しているのだった。

ミ「ここならご飯も安そうね」ミサトがそう言うと、一行はなんとなしにその屋台に腰を下ろした。

ヒ「おじさん、ラーメンちょうだい」

カ「アブラと似たような国が魔王に攻撃されたって話じゃないの?」カンナは屋台の店主に話を振った。

男「そういうこったなぁ。

 ニュヨークが壊滅したときは『いい気味だ』なんてちょっくら思ったもんだが、他人ごとじゃなくなってきちまったぜ」

ヒ「ニュヨークが嫌いなの??

 ここもニュヨークに似たようなビル街なのに」

男「嫌い?まぁ嫌いかな。

 奴らは世界中からカネ巻きあげてあんな豪勢な街作ったんだからな。そりゃ嫌いにもなるさ」

カ「アブラは違うっていうわけ?」

男「この街は違うよ。

 この街はランプの魔人によって栄えたんだからさ」

一行「ランプのまじん!?」



ヒ「ちょっと詳しく聞かせてよ!Σ(゚□゚︎`)」

男「なに?知らねぇってのか。よそ者だな?

 昔この国のとある貴族が、王様になりたがったんだよ。んで古い市場で魔法のランプを見つけたんだ。

 そいつをキュキュっとこすったら?

 あーらフシギ!ランプから魔人が出てきやがった!

 んで、『ご主人様、なんでも願いを叶えてあげましょう!』って言ったんだよ。

 そいつは『王様にしてくれ』って願ったんだ。そんでこの大きな街ができたって話よ」

カ「おとぎ話でしょう?」

男「いいや?今でもどこかに魔法のランプがあるって話だぜ?

 それを手にしたヤツは一夜にして石油王になったりするんだ。

 今どきの王様や貴族なんかはみんな魔法のランプを探してるぜ。そんでニュヨークをやっつけたいんだ」

ミ「ニュヨークはもう滅びてしまったわ?」

男「そうさなぁ。次はヨッパラの大国でもやっつけるんじゃないか?」

ヒ「ひょっとして・・・

 仮に魔王なんかいなかったとしても、戦争が起きたかもってこと?」

カ「まぁそういう可能性があるっていうのは、昔から言われてることね。

  第三次世界大戦は、いつ起きてもおかしくないのよ」

ヒ「ねぇ魔法のランプってどこにあるの??」

男「はっはっは!知ってりゃオレが石油王になってるさ!

 スークのボロいランプの中にこっそりまぎれてる、なんて笑い話をよく耳にするがね」

ヒ「スークって??」

男「市場のことさ」

ニュヨークと砂漠の国々は敵同士なのか!?なんだかちょっと気になるが、今は魔法のランプのほうが気になってしまう。

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