えぴそーど86
「お偉いさんじゃなくてフマンスの庶民の話を聞きたいわね」カンナが提案した。
ヒ「この辺にいっぱいいるじゃん?」
カ「ブランド品を買ってるのは、どうも観光客ばっかりのように見えるわ。それと移民。肌の黒い人は移民だからね」
栄えた大通りを離れて、整備された公園へと出る。のどかになった。
噴水の近くのベンチには、二十歳くらいの女性たちが雑談をしていた。
カ「青い目をしてる。フマンス人のような気がするわ」
ヒ「ぼんじゅーる!
あぁ、でも違うよね。トレーナーにジーンズだもん。フマンス人ギャルってもっとオシャレでしょ(・∀・)」
女「ボンジュー!
フマンス人がオシャレですって!?ヒボンの子のほうがずーっとオシャレよ!」
ヒ「えぇーーΣ(゚□゚︎`)」
女「フマンスが高級ブランドを輸出しまくってるのは知ってるわ。
でもフマンスの子たちはブランド品なんてほとんど着ないのよ。ビトンもディエールも」
ヒ「えぇー、そうなの!?」
女「美意識は高い国民性だと思うけどね。
服にお金はかけないし、ブランドも興味ないの。
女子大生なんてみんな、トレーナーにジーンズよ(*'▽')」
ミ「ひと昔前、『フマンス人は10着しか服を持たない』って本が流行ったわ。あれって本当だったの?」
女「あははは!10着ってこともないけどね。そんなに服をとっかえひっかえはしないわね。いつでも芝生で寝ころべるカッコが好きだしね♪」
ヒ「意外とワイルドで好感が持てる(∩´∀`)∩
君たち!魔王を倒す旅に同行しないかね?」
女「うふふ。悪い政治家を退治するのは、昔から好きだけどね♪」
少し情報が手に入った!
一行はさらに町の中に溶け込んでみることにした。
ミ「あら?あれってフマンス映画で有名になったカフェじゃない?」
ヒ「よし入ってみよう(*'▽')」
店「ボンジュー!」店員は気さくにあいさつをしてきた。
ヒ「爺さんや、渋ーい茶を一杯おくれ」
カ「絶対ムリな注文ね」
ヒ「とりあえずカフェオレ4つ!」
店「うん?カフェオレはないよ。カフェラテならある」
ヒ「えぇー!(´Д⊂ヽ じゃぁ他の店にしよう(´_ゝ`)」
ミ「カフェラテでもよくない?(^▽^;)」
店「ウィー、マドモアゼル!」
そしてやがて4人分のカフェラテを運んできた。
店「はい、おまちどう♪」
ヒナタは話しかける。
ヒ「ねぇねぇ、ヨッパラ連合の国民投票はやっぱフマンスに投票するの??」
店「えぇ?するわけないだろ~
総大統領なんてどっか他の国がやってくれりゃいいさ~」
ヒ「えぇー!どうして??」
店「フマンスの庶民は、別にフマンスの発展とか望んでないからなぁ。
むしろ経済にせよファッションにせよ、これ以上目立ってほしくないさ。移民がこれ以上押し寄せても困るぜ!」
カ「なんだか、大統領の見解とは違っているようだわ・・・」
店「そもそも、ヨッパラ連合に加盟すらしたくないと思ってるヤツが多いんじゃないか?
オレの親父なんて、国民投票の日にデモやろうとか言ってるくらいでさ~。
はっはっは!フマンス革命を果たした血がまだ消えてないのかねぇ~」
ヒ「デモって??」
店「革命のことだよ。
加盟反対ー!とか、法案反対ー!とか、宮殿の周りで叫ぶのさ」
ヒ「テレビで見たことあるー!」
店「フマンス人はたまにやるんだよ。気に食わない法案とか通りそうなら、デモでぶっつぶす!」
ミ「頼もしいわ・・・!」
店「でもさぁ、いつもあんまり上手くいかないんだよな~。
宮殿の警備が厚すぎんのさ!」
ヒ「じゃぁ警備がもっと弱かったら!?」
店「フマンスはまた、政府をひっくり返すんじゃねぇのかな!」
ヒ「ダンナ!いい情報があるぜ!
1万ゴールドでどうだ( ̄▽ ̄)」
カ「売らなくていいから!」
ヒ「水曜日の午前中は、宮殿の警備が手薄らしいよ(・∀・)」
店「なに!それは本当か!?」
カ「大統領が自分で言ってたわ」
店「よーっし、父ちゃんに教えてやろーっと!!」
カ「この国は、私たちが戦わなくても民が拝金政府をやっつけるかも・・・!」
ヒ「なんかワクワクするー(≧∇≦)」
ミ「どのみち水曜日には野次馬に参戦ね♪」
次の水曜日、作戦は決行された!!