えぴそーど8
カ「いや・・・旅なんてものをセナちゃんは知らないでしょうけれど。
でも少なくとも、この国で生きたいと思っていないようよ?
ママ、ちゃんといつもお話聞いてあげてるの?」
ミ「聞いてあげてる・・・つもりでいたわ!なにしろいつもそばにいるもの。
セナが学校に行けなくなって、落ち込まずにいられるように、いつもおしゃべりしてきたわ」
カ「セナちゃんが学校に行けなくなった理由が、まさしくこの国にあったのよ!」
ヒ「えぇ!?」
ミ「どういうこと!?」
カ「この国は学校の勉強が難しすぎるのよ。課題が多すぎるのよ。
それがセナちゃんにはどうしても耐えられなかったわけ」
ミ「えぇ!勉強が嫌なんて、この子一言も言わなかったわ!」
カ「勉強が嫌って言ったって、『がんばりなさい』って言われるだけだからでしょう。
だから登校拒否の理由を、言わなかった。
ある意味とても賢いわ、この子・・・!」
ヒ「きゃぁーーーー♡」ヒナタは急に大声を出し、そしてセナに抱き着いた!
ヒ「あなたアタシとめっちゃ気が合うわ!
なにしろアタシも学校の勉強ってめっちゃキライなの!!
バカなことばっかり教えてるじゃない?高校の勉強なんて全部必要ないことばかりよ!
アタシはブツクサ言いながら15歳まで通ってきちゃったけど・・・セナちゃん、アタシととても似てるわ!!」
急に迫られ抱きしめられ、最初はおののいていたセナだが、ヒナタの話を理解すると、ゆっくりと、でもニッコリと微笑むのだった・・・!
カ「定住するとしても、もっと勉強や仕事の緩い素朴な国に住みたいみたい。
それこそ、ミサトさんが旅してきた東南マジマみたいな、ね」
ミ「そうだったの・・・!!」
ミサトはセナに駆け寄り、ぎゅっときつく抱きしめた。
ミ「ごめんね!これまであなたの気持ちをわかってあげられなくて!!」
カ「でもママだって、娘を思って平穏な暮らしをしようとしてたんだものね。謝ることもないのよ、きっと♪」
河村セナ。彼女は10歳だ。
ヒ「ってことは、一緒に冒険してくれるの!?」
ミ「えぇ、行きましょう♪」
なんと、思いがけずミサトとセナがなかまにくわわった!