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エピソード141 『天空の城』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年11月1日
  • 読了時間: 3分

エピソード141


そこには、杖をつく奇妙な魔法使いのような怪人の姿があった!

れいを待ち構えていた様子がある。

竜王
竜王

れ「あなたが竜王なの!?」

竜「そなたが来るのを待っておったぞ。

 わしはこの世界の神。竜王じゃ」

れ「!」

やはり神と名乗っている。そして竜王とも。とりあえず探していた竜王ではあるようだ。竜には見えないが・・・?


竜「どうだ、わしの手下にならぬか?」

 わしの手下になるなら、そなたに世界の半分を与えよう」

れ「おことわりです!」

竜「詭弁だと思うか?いいやそうではない。

 世界地図で言う西側、アフィリカ大陸をそなたに支配させよう。

 まだアライゾのような原始的な、単純な民ばかりが住まう土地。支配はたやすいだろう。

 そしてわしは、そなたの世界には立ち入らぬ。厄介な冒険者も多いが、こちらの世界で良い。

 どうだ?悪い条件ではないと思うが」

れいは冷静に話に耳を傾ける。そして慎重に口を開く。

れ「神ではない、と判断する。

 あなた・・・いえ、き、き、貴様は神ではない。

 または、人を『支配』したがるなら、神であるとしても敬うべき存在ではない」

それは眼前の竜王への言葉であり、また、ラダトーム王たちへの届かぬ報告でもあった。

竜「そうか。

 じゃぁ死ね!」

竜王があらわれた!



「れい、冷静になれ!それが一番大切だ」

れいは自分に語り掛けた。

れ「《スカラ》!」れいの守備力が上がった。

すぐに倒せそうにない敵が相手なら、まずは《スカラ》で守備力を固めるべし。だ。

竜「《ドルモーア》!」竜王の杖からどす黒い紫色の炎が襲い掛かる!

れいは《はがねの盾》で懸命に弾く!バシーン!

竜「馬鹿めが。わしの得意は打撃ではなく魔法。《スカラ》など無意味ぞ」

れ「《ドルモーア》なんて聞いたこともない魔法だわ」

竜「そーれもう1つ!《ドルモーア》!」

バシーン!ジュワ・・・!

なんと《はがねの盾》は、竜王の魔法でほのかに溶けたような音がした!

れ「はっ!この盾ではあの魔法を防ぎ続けることは出来ない!」

《フバーハ》なら使えるが、《マジックバリア》はまだれいには使えないのだった。


れいは剣で殴りにかかる!竜王は杖でいなす。

竜「鬱陶しいな。離れろ!」杖で剣を押し切る。杖は硬く、腕力も強いようだ。

竜「《ドルモーア》!」竜王は再び闇の炎を放った。

れ「《メラミ》!」れいは《メラミ》を放った!《はがねの盾》で弾けないなら魔法で弾いてやれ!

れいの対策は悪くはなかった。魔法で相殺することで、直撃は免れる。しかし相手のほうが威力が高く、少しずつダメージを食らう。

竜「《ドルモーア》!《ドルモーア》!

 くくく。単純な消耗戦でもいいぞ」

れ「《メラミ》!《ヒャダルコ》!」れいは他の魔法も試す。しかしやはり竜王の《ドルモーア》のほうが威力が強い。

魔法で応戦しながら鋭く相手を観察する。王者の余裕からか、動きは奴のほうが緩慢だ。そこに隙があるか?

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