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エピソード156 『天空の城』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年7月22日
  • 読了時間: 1分

エピソード156


そして10日間の船旅を経て、ついに東海岸のサマンオサに到着した!

れいは医務長と船長に深々と礼を言う。

れ「この船が次にサンマリーノに戻るのはいつですか?」

船「また2日後の夜だが?」

れ「それまでに私、もう一度この船に訪れます。

 お借りした作業着を洗濯してから、お返しに来ます」

船「はっはっは、そんなのどうだっていいよ。

 君に救われた命や積み荷のほうが、ずっと高額だ」

れ「でも私に服を貸してくれた方がこの船に乗っていたのか、私は知りません。

 その方には返却が必要です」

船「そうか。まぁいいがね」

船を降りるにあたって、れいはまた乗組員の作業着を着て目立たぬように歩く必要があった。

れいはサマンオサに到着すると宿を探し、洗濯屋を探し、超特急で作業着を洗ってもらった。

そして翌日の夜、この船に作業着を返しに来た。

しかし船長には出会えなかった。この作業着の持ち主が誰なのか、誰も知らない。れいも、彼らの名前は知らないのだった。

『サンマリーノの亀さん食堂の息子さんに返却してください』メモ書きを添えた。あとは誰かがどうにかしてくれるだろう。


大衆のために荷物を届けることが、とても得意な人たちだから。

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