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エピソード15 『名もなき町で』

エピソード15

僕はそのまま、駅のベンチで夜を過ごした。

やることもなく、友人の一人もおらず、時間はとても長く感じた。

田舎というのはタブン、

「ボーっと頭をカラッポにする」というスキルがないと、退屈すぎて窒息死する。


22時頃、隣のトイレに体を洗いにいこうと思ったそのとき、

そのトイレの前に、ヤンキーたちが溜まりはじめた(笑)

数限られた灯りに、全ての虫たちが集まってくるんだろう。



僕はそのまま、ベンチで眠ることにした。

駅は風雨をしのげる構造になっているし、野宿を咎める駅員も居なかったけど、

ベンチは硬く、肉薄な僕が寝転がるには、とても痛かった。

そして、蚊がずいぶんと飛び回っていた。

環境は全く良くないけど、さすらうとはそういうことさ。

3時か4時にようやく寝付いて、

そして6時にはもう、目が覚めた(笑)

フシギと、疲れはあんまり感じなかった。



明るくなった駅前を散歩してみると、

すぐそばにバス停を発見できた。

由岐行きのバスが、日に4本くらいはある。朝は7時台に1本ある。

僕はコーラを朝食代わりに飲みながらバスを待ち、乗り遅れずに始発に乗った。

バスは、バスじゃなくてミニバンだった(笑)東南アジアみたいだ。

ここは、いろんな意味で東南アジアみたいだ。


バスは、住宅街をかいくぐるるように走った。

乗客は数人しかいなかったし、その人たちもすぐに降りていった。

やがて山道に入り、木立の中をクネクネと走った。


予想外の困難に直面した!

車酔い!!

僕は車に弱く、そして道はイヤガラセみたいにつづら折りだった(笑)

しまいに僕は、耐え切れなくなって車を停めてもらった。

駐車場の砂利に、胃の中のものを全て吐き出した。

幸い、ほかに乗客はおらず、誰にも迷惑をかけずに済んだ。

運転手さんはケラケラ笑っていた。笑ってくれるほうが助かるよ。


40分くらいも走って、小高い峠を下りきった。

大きな地図看板のそばで、バスは停まった。


『名もなき町で』

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