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エピソード22 『名もなき町で』

エピソード22

キャンプ場に客がこなくても、伊座利での生活はけっこう面白かった♪

僕がこの村に居ついて2~3日目くらいに、

村の鎮守祭みたいのがあったね!

村の隅っこに神社があるんだけど、

境内を隅々まで、みんなで綺麗に掃除するんだ。

普段は閉じられているご本尊まで開けられて、隅々まで掃除する。

なかなか貴重な体験だよ!

僕にとっては、伊座利の住人たちと顔合わせする良い機会でもあった。

「お?オマエかぁ!キャンプ場の新しい管理人はぁ!」

なんて、気さくに声をかけてくれるおっちゃんが多い。

疎ましく思ってる人はほとんど誰も居ないようだった。安心した。

村の人口は100人ちょいしかいないんだ。

誰もが顔見知りだから、新参者がいればすぐわかるらしい。


神社の掃除とか一日がかりで行うけど、

かといって、彼らは信心深いわけでも無い。

毎年の決まりごとだから、なんとなしにやっているんだよ。

サボったりはしないけど、真剣だったりもしない。

ここはとても田舎だけど、「土着」といった雰囲気は薄いね。信仰的ではない。



イザリーヌの広大な敷地を、探検するのも楽しい。

管理棟のすぐ下には、

海に向かって棚田のような地形が広がっている。

タブンこれ、棚田だったんだと思うよ。

タコ八は、「潮風にやられるから農作物なんて実らない」って言ってたけど。


棚田を下っていく途中、左の茂みに分け入っていくと、

小さなログハウスを発見!軽く感動したよ♪

なんでも、イザリーヌを建てた画家さんが、子供たちと一緒に建てたらしい。

今はもう誰も遊びに来ていなくて、村人からも忘れ去られ、朽ちはじめていた。

もったいないなぁ。伊座利にトムソーヤは居ないのか?


さらに下りていくと、広大な多目的広場がある。

そこから右の小道を行くと、川が流れてる。

木立に覆われていて涼しく、夏の水浴びにはうってつけの立地だよ。

水は綺麗で、ひんやりしてる。

もったいないなぁ。伊座利にトムソーヤは居ないのか?


川を下っていくと、変な人工施設がある。コンクリートを打ちっ放したような。

プールかと思ったんだけど、どうやら、犬のための遊び場らしい。ドッグランだよ。

創設者の画家さんは犬が大好きで、犬と一緒にココで遊びたかったんだね。

何年も使われていないようで、もうボロボロになってた。


多目的広場に戻って、真っ直ぐ下りていくと、

じゃーん!プライベートビーチ!!

リゾートビーチのような楽園テイストじゃないけど、

プライベートビーチがあるのは気持ち良いよ。

裸で海に入ったことある?スゴい開放感さ♪


僕は、裸になって、

一人で海に入っていった。「危ないから泳ぐな」って禁じられてたけど。

ホントだ。波はちょっと高い。

いや、思いのほか高い!?

気付いたときにはもう遅く、

僕は、強烈な波に飲まれ、大岩に背中から打ち付けられた!!

痛ぇ!!痛ぇなんてモンじゃない!!

けど、痛がってる余裕もない!

波は次々に打ち寄せ、そして足は地に着かない!!

僕は呼吸を奪われ、傷口は海水でさらに痛み、助けを呼ぶ声も出ず、

仮に叫べようとも近くには誰も居やしない!!

文字通り死に物狂いで浜までたどり着き、僕は九死に一生を得た…!!


ホントに、死ぬかと思ったよ。

溺れかかったことは何度かあるけど、こんな絶望的だったのは初めてさ!

でも、面白かったよ(笑)



それにしても、

このイザリーヌの敷地は、地形の変化に富んでてホントに面白い。

子供を、こんな庭に放って育ててみたいよ。

きっと2回くらいは死にそうな目に遭うだろうけど、

それでも、恐ろしくたくさんの知恵とスキルを身に付けるだろうさ。

そして、自然の面白さを悟るだろうさ。

地球ってのはさ?手付かずな場所のほうが面白いんだよ。

それに子供ってのは、

田舎で育ったほうが幸せなんだよ。みんな自覚してないけど。


『名もなき町で』

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