エピソード26 『トランク1つで生きていく』
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- 2023年3月9日
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「私、恋愛があまり良いものだとは思えないんです。
人生の足を引っ張るだけのような気もするし…」
「それはきっと、ハナちゃんがまだ、
良い男性と恋愛したことがないからよ。
恋愛とひとくちに言っても、色んなのがあるじゃない。
良い恋愛もあれば悪い恋愛もあるわ。
お金持ってる男の人がいい男ってわけではないし、
カッコイイ男の人がいい男ってわけじゃないのよ。
恋愛ドラマはさんざん、『そういう男に気をつけて!』って警告してるのに、
どうしてもみんな、お金持ちや美男子ばかり、もてはやしてしまうのよね…。」
「どんな男が、いい男なんですか?」
「ウフフ。愛のない結婚をした私が言っても、
説得力がまるで無いかもしれないけれど…
あなたの内面をほめてくれる男性は、逃しちゃいけないわ。」
「内面。」
「そうよ。
きっとハナちゃん、もてると思うわ。
男の人たちみんな、ハナちゃんのこと、
『かわいい、かわいい』って言うでしょう?」
「いや、あんまり言われないですけどね。」
「ウフフ。謙遜しなさんな。
でも、外見ばっかり褒めてくる男性っていうのは、
ハナちゃんの外見の魅力が衰えてきたなら、もう冷たくなっちゃうのよ。
せいぜい30才か、あとは出産を機に冷たくなる人が多いのかな…。」
「トキメキを感じなくなったら、恋愛するのをヤメればいいんですよ。
私つい最近、そう教わりました。」
「それも間違ってないんじゃないかしら。『飽き』っていうのもあるしね。
トキメキって精神論じゃないから、良心ではどうにもならないのが事実よね。
でも、恋愛関係をやめたあとも、
友人として、親友として付き合っていけたなら…
それってとても、ステキなことだと思わない?」
「あ、いいですね。
恋愛の終わりと同時に口も利かなくなるのって、なんかすごくむなしいです。」
「友人として末永く付き合うには、内面的な共感が大事でしょうし、誠実さって大切よね。
でもね?
誠実なだけじゃダメなのよ。真面目なだけじゃダメ。
どうしても恋愛の恍惚を感じるには、トキメキの要素が不可欠なのよね。」
「そう思います。生真面目な男の人に、恋愛感情は感じない…」
「でしょう?
すると、『誠実だけどえっちな人』をいかに見つけるかだと思うのね。
えっちなだけの男の人もダメ。絶対にダメ。
妊娠させられたり、人生をボロボロにされちゃう。
だから、飲み会や出会い系サイトで男探ししたらダメなの。絶対不幸な結末になるから。
お酒に誘ってくる男の人にも、ついていったらダメ。
何のために女をお酒に誘うか、わかるでしょ?酔わせて押し倒すためだもの。
『良いワインがあるから』とか言ってても、本心は酔わせることなの。
えっちなこと楽しませてくれるっていうのは大切なことで、
でも、それでいながら誠実な性格している人が、理想的なのよね。」
「そんな男の人、いるんですか?」
「いないのよ!ぜんぜん。
その2つの要素を兼ね備えてる男の人って、100人に1人くらいじゃない?
だからこそ、そういう男の人を見つけたら、逃さないようにしなくちゃね。」
タカユキさんみたいな人だ。きっと。
「私、週末ごとに束縛されるようなことがイヤなんです。
前付き合った彼氏とも、それが原因で別れたんですけどね。」
「だったら、『週末に束縛しない人』を選んだらいいんじゃない?
その条件に合わないなら、いくらカッコイイ人でもお断りしたほうが良いのよ。
誠実さっていうか、性格がイマイチっていうことなの。そういう人は。
性格のいい人は、ハナちゃんを束縛したりしないわ。」
「そっか。束縛されるのが当たり前ってわけじゃないんですね。」
「でも、そういう男性を選ぶなら、
ハナちゃん自身も『束縛しない女』にならないとね。
『束縛しない男の人』って、たいていその人自身も、軽やかに自由に生きてるから。
自分だけ自由に遊んで、相手を束縛しようとしてしまうなら、
そういう恋愛って上手くいきっこないのよ。
1ヶ月で終わるでしょうし、こじれてケンカ別れしてしまうわ。
後味の悪い恋愛って、恋愛期間すべての印象を悪くしちゃうから、最悪よね。」
「恋愛マスターですね、麗子さん。美人ですもんね。」
「そそそそんなことないのよ!
私そんなに、恋愛経験豊富じゃないの。
ただ、一度転んだら、同じ石ではつまづかない、
そういう学習能力はあるほうだとは思うけれど。良くも悪くも慎重だったからね。
私が、自分の経験から力説できるのは…
『尽くされる喜び』と『トキメキ』は、まったくの別物だっていうことね。」
「尽くされたって、きゅんきゅんはしない。」
「そう。
女性の抱く恋愛欲求って、いろんな種類があるのよね。
白馬の王子様がどうとか言うのは、『尽くされたい欲求』よね。
お金持ちな人にいろいろ買ってもらったり、豪華なホテルに連れていってもらったり、
働かなくても暮らせるように、守ってもらったり。そういう願望。
それを基準に男性選びしている女性が多いけれど、
恋愛にまつわる欲求って、それっばかりじゃないのよね。
きゅんきゅん…じゃなかった、
『トキメキ欲求』は、どんなに尽くされてもどんなにお金持ちでも、満たされないの。
だから、『セレブな奥さまほど不倫する』なんて、統計調査が出るんだわ。
『トキメキ欲求』は、尽くされるのを待ってるだけじゃ満たせないし、
口説かれるのを待っているだけじゃ、満たせないのよ。
『あ、ステキだな』と感じる男性がいたら、自分からアプローチしなきゃ。
メールして、電話して、デートに誘うの。
好みの男性と二人っきりになれたり、目を見つめあったり、手をつないだり、
トロけちゃうほどの…その…アレをしたり…
とにかく親密になることで、『トキメキ欲求』はようやく満たされるの。
これほどの恍惚ってないわ!ブランドの服とかどうでもよく思えてきちゃう。
写真眺めてるだけでも少しはきゅんきゅんできるけど、
それはむしろ生殺しっていうか…思いを募らせてしまうだけなのよね。
だからアイドルのファンの子たちは、何年でも何十年でもオッカケてしまう。
コンサートやプロマイドだけでは、『トキメキ欲求』が満たせていないからよ。
もっと身近なところに、トキメキ感じられる男性を探すか、
あるアイドルにしかトキメキを感じられないなら、
その人のマネージャーになるくらいなつもりで、とことん努力するしかないんじゃないかしら?
結婚できなくてもいいのよ。一夜の恋でもいいの。
『ステキな人と溶け合いたい!』という欲求が人間にはあって、
それを満たすためには、結婚とか年収とかどうでもいいことなの。
そして、その欲求をないがしろにしてしまうなら、
人生って、むなしいままなのよ。」
「麗子さんは今、恋愛をしてるんですか?」
「ウフフ。私は今、軽やかに生きる練習中。」
『トランク1つで生きていく』



