エピソード2 『名もなき町で』
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- 2023年3月16日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年1月12日
エピソード2
何のハナシだっけ?
そう。4年前か5年前かの、僕のハナシだよ。
ほぼ実話だけど、フィクションってことにしておく。
事実をありのままに描くなんて、書くほうも読むほうもくたびれるからさ。
4月から、世界一周の旅に出る予定だったんだ。
シオリっていう同い年の女性が、「私が旅費払うから連れてって!」って僕に言ったんだ。
まぁ、世界一周2人分もの資金は、なかったんだけどさ。
でも僕は、そのつもりで動いてたんだ。東京のアパートも解約した。
でも、出発の直前になって、シオリは入院しちゃった(笑)
入院なんて、笑えるハナシじゃないんだけど、
でもアパートまで解約して身寄りのなくなってしまった僕にとって、
そのタイミングでのドタキャンは、もう、笑うしかなかったよ。
それでどうしようかなぁって、ミクシィで友人たちに相談してみたんだ。
すると、
大分に住んでいるようこママが、「私のところにくれば♪」って言ってくれたよ。
ようこママは、僕と同じくらい変わったヒトだよ。
大分でライブカフェなる音楽喫茶店を経営してるんだけど、
かといってその相棒は、旦那さんではないんだなぁ。
子供が3人もいるんだよ?独身じゃないんだよ?
でも、相棒は旦那さんじゃない。
ようこママは離婚して、子供たちを引き取って、
そして新しい彼氏と、新しい生活をしているのさ。
彼氏が、「オレが養ってやる」って言ってくれたわけじゃないよ?
むしろ、逆さ。
彼氏の「いつかライブハウスを経営したかった」という夢を叶えるために、
ようこママが一肌脱いだんだよ。
3人も子供がいるのに、旦那さんと離婚して、
婚約者でもない男性の夢に尽くしたんだ。
ようこママは、「尽くす愛」を知ってるヒトなんだよ。
そうして僕は、
5万円ほどの全財産から電車を乗り継いで、遥か大分まで向かったんだ。
『名もなき町で』



