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エピソード7 『名もなき町で』

エピソード7

そんなジェシーは、開店前の昼下がりは、

黙々とギターの練習をしてたりする。

くたびれたらタバコをふかし、そしてまたギターを抱きかかえる。

まるでギター少年だよ。56歳になったギター少年。


僕はジェシーから少し離れて、

やっぱりギターを抱えて、新しい曲を作ったりなんかしてる。

僕のギターなんて無いよ?ギターは持参してない。

店には、常連客たちの置きギターが5本くらいあるんだ。

彼らはホントにしょっちゅうこの店に来るから、練習用に置いているのさ。

そして誰もが、「オレのギターで良ければ、いつでも弾いてイイっすよ♪」って、

初対面の僕にも貸してくれる。初対面の僕にも、さ。



そして、15時にもなると、

「買い物でも行こうかぁ」と、ようこママから声が掛かる。

ママは、軽自動車の助手席に僕を乗せて、近所の業務用スーパーにくり出す。

ジェシーに聞かれたくないような話を、そのときにする。

ママはオーラソーマの資格所持者だし、レイキも学びたがってるけど、

ジェシーはそんなにスピリチュアルなことに興味がないからさ。

ママとジェシーの特殊な関係性についても、ジェシーの前では話しにくいようだし。

かといって、

ママとジェシーとの間に、秘密なんてのはほとんどありはしない。


店に戻ってみると、

お客さんが来てたりする。

開店の時間は18時だよ?でも今はまだ16時だ。「CLOSE」の札も掛けてある。

そんなことはお構いナシに、常連さんたちは店にやってくる。

そして、ジブンでキッチンに入っていって、

グラスにコーラやレモンティーをついで、ジブンでテーブルに運ぶ。

そして500円玉をカウンターに置いておく。セルフサービスにもほどがある(笑)

そしてソファに腰かけて、

ギターの練習したり試験勉強したりしてる。

誰かが隣でジャカジャカ唄ってるのに、

それでもココで試験勉強したりしてる。

(人間ってホントは、うるさくても勉強できるんだよ。知ってた?)

わざわざ500円払って、自分でコーラをついでまでして、

やかましいところで勉強する(笑)

それくらいみんな、この店が好きなんだ。


『名もなき町で』

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