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エピソード88 『天空の城』

エピソード88


2つ目の隙が出来たその瞬間!


れ「《ホイポイ》!」れいはここで《破邪の剣》を物質化した!

相手がまごついている間に駆け寄り、逆手から利き腕を斬りつける!

ブシュっ!大男に確実にダメージが入っている!

ネ「この野郎!」

ネルソンはひるまず、剣を左手に持ち替え、不格好にれいに斬りかかる!

れいはそれを体で受ける。皆は未だそれに青ざめる!

《風のローブ》は剣で少し切れてしまったが・・・血は噴き出さない!?

切り口の下には、《くさりかたびら》の鎖がむき出しになった。

れいは確かな痛みを懸命に耐える。痛い!でも大丈夫。

ネルソンの死に物狂いの一撃がれいに致命傷を負わせないことを証明すると、れいは精いっぱい虚勢を張って言った。

れ「これは私の勝ちでしょう」

ネ「うぐっ!」ネルソンはうろたえるが、まだ諦めようとしない。

れ「ローブの下に《くさりかたびら》を着ています。その上《スカラ》を掛けています。ボロボロの彼はもう私を倒せないはずです。

 人と人との戦闘を、無暗に荒れさせたくはありません」

ネ「ぐぐぐ・・・。

 ・・・・・・。

 わかった。降参だ」

おぉぉ!!!

一同は様々な感情の入り乱れた歓声を上げた。ある者は安心し、ある者は興奮し、ある者は感動した。


降参の言葉を聞くとれいは素早くネルソンに駆け寄り、《ベホイミ》を掛けて労わった。

れ「ごめんなさい。大怪我を負わせてしまって」れいは本当にそう思っていた。対人戦など初めてだ。悪人でもなければれいに何かをしでかしたわけでもない者を、斬りつけたのだ。

ネ「う、嬉しいがな嬢ちゃん。

 プライドのある中級戦士にはな、そんな労りの言葉が《メラミ》よりも痛かったりするんだぜ」

れ「そうですか。ごめんなさい。

 でも、どうすればよいかわかりません」

誰かが2人の様子に感動して拍手をした。すると皆もれいにしばし拍手を浴びせるのだった。



すぐに魔法使い同士の試合も行われた。

れいは人間同士の戦いに興味はなく、興奮もしない。ろくに試合を観戦もしなかった。

2人の魔法使いが戦い、最後は三つ巴で魔法使いが戦った。

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