第22章 ふぉっふぉっふぉ
マ「やったぁ!!」
負「ふいー、疲れた」老人はまた寝そべってしまった。
二人は敢闘賞の老人に駆け寄っていく。
審「おい、そこをどきなさい!次の試合の邪魔になる」
負「あぁすまんすまん。失礼をした」
3人は闘技場をあとにし、人目のつかないところで座り込んだ。
リ「マケさん。強い人だったのね!」
負「ふぉっふぉっふぉ。強いかどうかはわからんな。弱いとは思うてないがの」
マ「強いよ!強すぎるくらい!
あんな手ごわそうな戦士の人すらいっぱつで倒しちゃったよ!?」
負「ふぉっふぉっふぉ。少々ズルをした」
マ・リ「えぇ!?」
負「素手というのはウソじゃ。
最後、戦士を倒したときは手のひらに《毒針》を隠し持っておった」
リ「なるほど!それで一撃必殺!
《毒針》は《ザキ》みたいに、一撃で息の根を止めちゃうことがあるのよね」
負「さよう。基本的には力の弱い者向けの武器じゃな」
リ「色々考えて戦ってたわ!」
負「そう思ってもらえれば、うれしいのぉ」
マ「あ…れ?」マナは老人の顔をまじまじと見つめた。
マ「お爺さん、会ったことがあるような…?」
負「ふぉっふぉっふぉ。今ごろ気づきなすったか?」
マ「アリアハンでいつもお茶のんでるお爺さん!?」
負「ご名答。いつもあいさつをくれるお嬢さん」
リ「えぇ!あの爺さん、NPCキャラじゃなかったの!?」
負「ふぉっふぉっふぉ。
…ん?おぬし…」今度は老人がリオを見つめて何かを思い出している。
負「…おぬし、昔会うたことがあるのぉ。
リ「え?だからアリアハンで会ってんでしょう?」
負「いや、200年前か、300年前か」
リ「何バカ言ってんのよ!アタシを老婆にしないで!」
負「ふふふ。わしの意思を継いでくれ」老人は奇妙な笑みを浮かべてリオの肩をぽんと叩いた。
マ「マケさん。
いっつもお茶飲んでるのにどうして強いの?」
負「わし、早起きじゃからな。朝訓練しておる」
マ「ヘンなのぉ~でも楽しい♪
お爺さんも魔王倒すの?」
負「わからん。そこに興味はないな」
マ「ヘンなのぉ~」
負「それにしても」老人の表情が真剣になる。
負「あの王様、何か匂うなぁ」
リ「はっ!そう、そうなのよ!お爺さんもそう思った?」
負「中身はよう知らんが、まぁ大会が終わったら何が起こるじゃろ」
『僧侶だけで魔王を倒すには?』