第34章 みずのはごろも
《水の羽衣》の完成を待ち始めてから8日後、ようやくドン・モハメからお呼びがかかった。二人はワクワクしながらドン・モハメの家へ向かう。
ド「げほげほ!
ずいぶん待たせて悪かったが、どうじゃ!
じゃーん!」
ドン・モハメは、出来上がったばかりの羽衣を広げて披露した。晴れの日の湖のようにキラキラと輝きを放つ、薄水色と白の美しい羽衣だ!
マ・リ「うわぁー-キレイ!!!」
二人は鑑定士のようにまじまじと、羽衣を眺めた。
「《水の羽衣》が完成したら相手に譲ればいい」と互いに考えていたが、その素晴らしい出来栄えを目にしてしまうと、「うぅ、やっぱり私が着たい…」と思わずにいられない。そうして互いに、名残惜しそうに羽衣から手を離せずにいた。
ドン・モハメはそれを察して、そして待ち構えていたように言い放った。
ド「1着では、足りんのではないか?」
マ・リ「え…?」
ド「ほっほっほ。待たせて悪かったな。
ほうれ、もう1着作っておったのじゃよ♪」
マ・リ「おじいさー-----ん!!!」
二人は泣いて喜び、ドン・モハメに抱き着いた。
ド「げほげほ!これこれ、苦しいわい!」
リ「どうして2着も!?」
ド「それがのう、村の子供たちが数日前、《あまつゆ草》をたんまり摘んできおった。
楽しそうに、うれしそうに、な。
『もう1つ作ってあげて』と言うんじゃよ。
わし、断れはせんかったわい♪」
マ「そうだったんだぁ…!」
ド「さぁて、わしはもう寝るぞ。起こさんでくれな。
ライドンにも言っておいてくれ。次に他の冒険者が来ても、わしを起こさんでくれとな」
マナとリオのステータス・その4
『僧侶だけで魔王を倒すには?』
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