第36章 こだいいせき
炭坑の異変を解決して戻ってくると、アネイルの町の入口付近には《旅の扉》が現れていた。
それに飛び込むと、二人は第4層のスタート地点に降り立ったようだった。
リ「何ここ!?」
マ「おわぁぁ!!」
これまでのスタート地点は町や城であったから、次もそうだろうと緩く構えていた二人。しかし、飛ばされた先は屋外であった。しかも古代遺跡だ。
栄華の時代から何百年経っているかはわからない。ひょっとしたら何千年か。石で造られた堅牢な神殿は、しかし風化に勝てず寂しく朽ちていた。深緑の植物が絡まり、苔むし、勇ましく戦った英雄を讃えていたであろう彫刻は、風雨に削られぼやけている。
それだけならつい数日前に見たテパの村の石碑によく似ていた。しかし、今度飛ばされたこの場所は、石碑や壁が迷路のように入り組み、その真っ只中にいるのだった。とても広い遺跡だ。
「でもちょっとワクワクする」リオは思った。なぜか懐かしさを感じるというか、不思議な気分になった。
それは、遺跡というものがいかにも大好きなRPGっぽいからなのか。それとももっと深いところの記憶に、遺跡や石造りの神殿の記憶があるのか…。
しかし「ワクワクする」などと口にすべき状況ではないと、言葉を飲み込んだ。
リ「まさかのダンジョンスタート(汗)」
マ「今は迷路楽しめないよぉ(汗)」
二人は恐る恐る歩き始めた。
案の定、そこは錆びれたダンジョンであるだけでなく、モンスターが徘徊するのだった!
2体の《ガーゴイル》が現れた!こうもりのような翼を持った、人型の悪魔だ。剣を持っている。
リ「初めましてさん、ですよねぇ(汗)」
敵の行動パターンもわからなければ、強さの程度もわからない。
リ「とりあえず《ヒャダルコ》!」リオは《氷のやいば》を振りかざした!
敵は少々ひるんでもすぐに持ち直す。右手の剣を勢いよく振りかざしてきた!
マ「まかせて!」マナはリオをかばってダメージを受け負った。
18のダメージ!「痛つぅ!」マナは表情を歪める。
リ「マナ、あんたそろそろ《かばう》は限界よ!それはもうやめときなさい!」
「しゅび力全振り作戦」による序盤無敵はもう過去のものになったようだ。
もう1体の《ガーゴイル》も剣で殴りつけてきた。戦闘は痛々しくなってきた。マナはこれが嫌だったわけだが、ここまで来てしまうともう引き返せはしない。辛くても耐えるしかない。
次のターンでどうにか一掃することは出来た。
少々強いが、戦えないことはないようだ。
複雑に見えた遺跡は歩いてみるとそうでもなく、少々の徘徊によって脱出することが出来た。
遺跡を抜けると目の前には粗末な道があり、そのずっと先には城があるようだった。二人は城を目指した。
『僧侶だけで魔王を倒すには?』
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