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第4章 メラ

第4章 メラ


翌日は土曜日だ。二人は13時から一緒にプレイする約束をしていた。

マナはそわそわしながら昼食を摂り、13時の少し前にドラクエ55にログインした。

しかし、なぜか約束の時間が過ぎてもリオが現れない!リオは時間に遅れるタイプではなく、どちらかと言えばそれはマナのほうが得意分野だ。何かあったのだろうか?13時と14時を勘違いしているのだろうか?

リオの家では、なんとマンション全体にインターネット回線の故障が起きていた!それでゲームに接続することが出来なかったのだ。


マナはしばらくそわそわしながら待ったが、リオは当然ながら現れなかった。

「しゃーない。一人で冒険してみよっと」

マナはアリアハンの町を、出口に向かってとぼとぼと歩き始めた。

男「おぉ~か弱い女の子が一人旅かい?

 死んでも知らねえぞ!」見知らぬプレイヤーが茶化すように言った。

マ「そうだったわ!『まだ一人で戦っちゃダメ』ってリオに言われたんだった!

 どうしよう?でもわたしも強いし、ちょっとなら大丈夫だよね!」

まだレベルは3だが、レベル1の頃の自分と比べれば「強くなった」とマナは思っているのだった。

そして、リオの言い付けを守らずに、一人で街の外へと飛び出していった…。


《スライム》と《大がらす》が現れた!

マ「よぉし、《バギ》ー!!」

風の刃は快調にモンスターたちを切り裂いた。

マ「ほらぁ、一人でも戦えるぅ♪」マナは上機嫌だ。

マ「そういえば、西のほうに洞窟があるって誰か言ってたなぁ。

 攻略するのはムリにしても、ちょっと偵察くらいなら、いいよねぇ。

 地図に書き込んでおいてあげれば、きっとリオも褒めてくれるよぉ~」

マナは勇ましく、西のほうに向かって歩き出した。昨日レベル上げをした場所よりも少し、遠くに踏み出してみた。

「ふんふんふーん♪」


すると、昨日は見ることのなかった、灰色の法衣を着た魔物が現れた!《まほうつかい》だ!

マ「うわぁー、なんか新しいの出たー!」

マナは驚いたが、まだ恐怖よりも好奇心と自信のほうが上回った。「序盤のうちはどんな攻撃を受けてもダメージを受けない」とリオは言っていたはずだ。

得意の《バギ》を唱えようと臨戦態勢に入ったが、相手のほうがすばやさが上だった!

ま「《メラ》!!」

ボゥっ!小さな火球がマナを襲った!

マ「あつっ!!痛いよ!!」

マナはあっけなく、《メラ》の呪文で8ポイントものダメージを受けてしまった。

マ「そうか!どんなにしゅび力が高くても呪文のダメージは通っちゃうんだ!」

そして《まほうつかい》に先制できないマナでは、呪文を喰らう前に倒すことは出来そうもない。マナはさっきまでの威勢はどこへやら、一目散に町へと退散した。


マ「はぁ、はぁ、危なかったぁー!

 やっぱりまだ一人旅はムリだよぉ」

マナはしばらく考えて、安全である町の中を一人で探索してみることにした。あちこちに冒険者がいるし、あちこちに町の住人がいる。中に立ち入ることの出来る家もある。やることは色々ありそうな気がする。あまり日の当たらない路地裏に入り込んだ。「大丈夫。モンスターは出ないはずだわ。わたし時間がいっぱいあるし」



『僧侶だけで魔王を倒すには?』

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