第56章 けんじゃ
町に戻った。お金も充分貯まったし、武器や防具を買い揃えよう。
マナは魔女っ子めいた服が買ってもらえない代わりに、強力な杖を買ってもらった!『わだつみの杖』だ。これを装備すると、攻撃呪文の威力がかなり上がるだけでなく、なんと《マヒャド》が使えるようになる!《マヒャド》はヒャド系の上位呪文で、敵全体に100以上のダメージを与える!
《バギクロス》と《マヒャド》、2属性の上位呪文を操るマナは、ついに強力な魔法使いにもなってきた!そのうえ《ベホマラー》や《フバーハ》まで使えるのだから、もはや賢者だ!
防具屋も覗いてみる。防具の強化も至上命題だ。
リオは《聖騎士のよろい》に新調した。しゅび力が高いだけでなく回復呪文の威力も上がる。
兜と盾も同種のもので揃えた。これで戦士並みの耐久力が整った。
マナは《ちからの盾》をあてがわれた。
《ちからの盾》は道具として使うと《ベホイミ》の効果がある。もしリオが息絶え、マナのMPが底を尽きても、これがあれば生き伸びることが出来るだろうと、リオは考えた。そこまでは言わなかったが。頭部は《ユグノアの兜》が選ばれた。
眠り、幻惑、封印などマインド系の状態異常にかかりにくくなる効果がある。眠りなどに弱いマナの気質を、リオは考慮したのだ。
物理的なダメージは自分が引き受け、マナはどうにか生き延びてほしい、とリオは考えた。冒険の序盤ではマナにかばってもらってばかりいたが、死線の連続となる終盤では、自分がマナをかばう番だと覚悟した。そこまでは言わなかったが。
二人は北の大洞窟を求めて旅立った。
フィールドのモンスターを倒すのはそう苦ではなくなった。《バギクロス》と《マヒャド》を一度にお見舞いすれば、大抵のモンスターは瀕死である。しかもマナの《バギクロス》や《マヒャド》は150近いダメージを叩き出した。武器や特性による上積みのおかげだ。
途中、小さな村を経て、休息を挟んでまた進む。
土地は荒涼としてきて、人は少なく、もの悲しくなってきた。
そしてついに、険しい山のふもとに大口を開ける洞窟へと到達した。
洞窟のそばには小さな野営地があり、ここに挑む者たちにひと時の休息と焚き火の温もりを与えた。
体力は回復できた。また頑張れる。
マナとリオのステータス・その6


『僧侶だけで魔王を倒すには?』