第59章 きぼうのほこら
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- 2023年1月1日
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第59章 きぼうのほこら
ロンダルキアの洞窟を抜けると、そこは一面の吹雪だった!
雪山の上に出てきたようだった。立っているだけでHPを削られそうな、苛烈な土地だ。
そして向こうには、大きくそびえ立つ樹が、煙る吹雪の後ろにうっすらと見えていた。
リ「…で、どうしたらいいわけ?(汗)」
地獄のような洞窟を抜けても、そこで二人を出迎えてくれる神父も女神も居はしないのだった。
意識は朦朧としている、長く歩く体力も気力もない。「あてもなく歩いては駄目だ」リオはなお冷静に判断した。周りを慎重に見渡す。マナにも請う。「どこかに何か、町や建物が見えない?」
二人は目を凝らして、しばらく辺りを見渡した。
マ「あった!なんか建物があるよ!」
数十メートルの先に何かの建造物が見えた。二人はそこまで、気力を尽くして歩いた。
小さな祠だった。
二人は中に入ってみる。シスターのような女性が、静かに祈っているのだった。
リ「はぁ、はぁ、多くを語る気力はありません。
アタシたち、世界樹の秘薬を求めてここまで来ました。何か手がかりはありませんか?」
シスターは1つ呼吸を置いて、静かに答えた。
「この地に世界樹などという樹はありません。
あすこに見えるのは、世界樹に見せかけたハリボテです」
マ・リ「えぇ!?」
リ「そんなはずないんです!
スタンシアラ王の精鋭部隊もそこに向かったはずです!」
シ「えぇ。そのように名乗る戦士たちの集団が、前にここを訪れました。
彼らにも『あれはハリボテに過ぎない』と忠告しましたが、聞く耳を持たずに向かって行ってしまいました。
そして…。
そして、戻ってきません」
リ「あなたの言うことを、信じたほうがよいのですか?」
シ「私はそう思います」
リ「しかし、アタシたちには他に行くあてもないのです」
シ「そうなのでしょう。この状況で制止しようと、それは無理なことなのでしょう。
であれば、せめて体勢を立て直してから進むべきです!
ここにはチーズとスープ以外に何もありませんが、ひと時の休息を提供することは出来ます」
一晩の休息を挟んだが、休息気分でいるわけにはいかないようだった。
この過酷な高山の吹雪の中を、あるかわからない巨木を目指してさすらわなければならない。そして敵は益々手強いだろう。
シ「体勢を立て直すことが、必要だと思われます」シスターはまたしても言った。
リ「一晩休息を頂きました」
シ「それだけで済めばよいのですが…」彼女は多くは語らなかった。
二人は祠から出て、吹雪の向こうに霞む巨木の方角へ歩いてみた。
すぐにモンスターが立ちはだかる。
《アークデーモン》が現れた!

リ「絶対強いわ、コイツ!」
とりあえず先手は取れると読んだものの即刻読みは外れ、敵は巨体ながらも素早い動作で攻撃をしかけてきた!
《イオナズン》!リオとマナは93と109のダメージ!
《ラリホー》!
リ「コイツも《2回行動》!?まずい!
マナ!もし私が死んだら逃げて祠に避難して!」
そう言い放って《アークデーモン》に突進していった!
《稲妻の剣》による攻撃は75のダメージ。
リ「くっ!しゅび力も堅い!」
マナは《ベホマラー》を唱えた!リオとマナは86と89、HPが回復した!
リオは《稲妻の剣》を振りかざした!《ギガデイン》が襲い掛かりアークデーモンに196のダメージ!
アークデーモンは《イオナズン》を唱えた!リオとマナは95と111のダメージ!アークデーモンは《マヌーサ》を唱えた!二人は素早く身をかわした!
マナは《バギクロス》を唱えた!《アークデーモン》に140のダメージ!
《アークデーモン》をやっつけた!
リ「ダメだ!このレベルの敵が2匹以上一緒に出てきたら、アタシたち勝てない!」
エリアが進むごとにどんどん強くなるモンスターに、二人は圧倒されている。
リ「戦力強化をしよう。もう一回」
二人は祠に退散した。
『僧侶だけで魔王を倒すには?』