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第8章 どくいもむし

第8章 どくいもむし


すると!

バタン!古びた洞窟のドアは、二人が侵入した途端に急に閉まってしまった!

リ「ヤバっ!」リオは振り向き、ドアをこじ開けようとあがく!

マ「リ、リ、リ、リ、リオぉぉぉ~!!」マナが悲鳴を上げる。

リ「どうしたの!?」リオが振り向くとそこには、

魔「シギャァアァー-!!」大きな怪物が二人に襲いかかってくる!

リ「いきなりボス戦なんて!誤算だったわ!!」

シギャァアァー-!!

リ「装甲の堅そうな芋虫!《キャタピラー》?

 違う!それにしては色が黒いわ!まさか…!」

魔物は紫色に濡れる無数の触手でマナに殴りかかってきた!ジュシャン!しかしマナはダメージを受けていない!

マ「やったぁ!わたしまだダメージを弾ける♪」

リ「良かった!桁違いに強い魔物ってわけでもなさそうね!」

魔物は今度はリオに襲い掛かってきた。

ジュシャン!リオは3ポイントのダメージを受けた。

リ「うっ!これくらいなら大丈夫!」

リオは反撃の構えをとった。広い空間に回り込み、助走をつけて攻撃をしかける!

しかしそのとき!

リ「うっ!」敵の攻撃を受け止めた左腕に、大きな痛みが走る!リオのHPが減っている!

マ「どうしたの!?」

リ「まさか!《毒》攻撃!?」

ご名答だった。魔物の紫色に濡れる触手は、毒を帯びているのである。これに殴られると《毒》という状態異常にかかり、少しずつHPが消耗してしまう!

リ「《どくいもむし》!完全に誤算だったわ!

 《どくけしそう》なんてまだ準備してなかった!」

マ「リオ!今回復するわ!」

リ「いいえ!あなたは《バギ》でこいつに攻撃よ!早く戦いを終わらせたほうがいい!」

マ「えぇ!でも!?」

リ「いいから!言うとおりにしなさい!」

マ「わかった!えぇーい、《バギ》!!」

マナの放つ風の刃で、魔物はたじろいでいる。ダメージが通っているようだ。

リ「良かった!堅い魔物だけど戦えるわ!」


《どくいもむし》は、しゅび力が弱いと察してリオのほうに攻撃をしかけた!

マ「は、そうだわ!」マナは何かを思いつく。

「《かばう》!!」マナがそう思いきり叫ぶと、マナの体が瞬時にリオの前に動いた。そして《どくいもむし》の攻撃はマナに命中する!ジュシャン!マ「ふっふっふ、痛くないもんねー♪」

マナは手を腰に当て胸を張り、得意気に笑った。リオを不安にさせないために、精いっぱいおどけたつもりだった。

《どくいもむし》は悔しそうにおののいている。

リ「ありがとマナ!よーしアタシも!《バギ》!!」リオも《バギ》で攻撃を仕掛ける。

リ「マナにダメージが通らないならなんとか戦えそうだわ。あとはオマエのHPとアタシたちのMP、どっちが早く尽きるか勝負ね!」

二人は少し勝機を感じ、肩の力みが抜けた。


《どくいもむし》は居直ると、頭を大きく振りかぶり、頭突きのような反動をリオに向けた。

マ「そうはさせないわ!」マナは得意気に、再びリオをかばう体勢に入った。

しかし!

《どくいもむし》は頭突きではなく、口から紫色の煙を吐き出した!《毒の息》だ!

マ「うっ!」マナは面食らった。

リ「マナ、大丈夫!?」

マ「大丈夫!キモくて吐きそうだけど、ダメージは0みたい♪」

リ「いや…!」リオは戦慄の表情を崩さない。

マナは距離をとり、反撃に出ようとした。しかしそのとき、《毒の息》を喰らった頭部に痛みが走る!

マ「うっ!何これ!」

リ「やっぱり!アンタ打撃攻撃はダメージ0に出来ても、《毒の息》には冒されてしまうのよ!《毒》の継続ダメージが入るってこと!」

マ「そんなぁ!」

しかし実際、マナのHPゲージは少しずつ減少を続けている!

リ「早く倒さないと!でもMPは温存しなきゃ《バギ》ばかりも撃ってられないわ!」


リオは意を決して肉弾戦を仕掛ける!相手の懐に飛び込み《くだものナイフ》で攻撃!

しかし、《どくいもむし》にダメージはほとんど入らない!やはり装甲が堅いのだ!

そして懐に飛び込んだリオは恰好の餌食となってしまう!《どくいもむし》は多数の触手を振り上げてたたきつけようした!

マ「リオ、危ない!」マナは再び《かばう》を使ってリオの眼前に飛び込んだ。《どくいもむし》の攻撃を一身に引き受ける!

マ「うくくぅ!大丈夫!ダメージは受けないもん!」強がりの笑みを浮かべるが、《毒》のダメージはマナのHPを蝕んでいる…!

リ「そうだわ!《やくそう》!」リオは先ほど手に入れたばかりの、そしてたった1つの《やくそう》でマナのHPを回復した!

マ「そっか!回復手段は《やくそう》もあるんだった!

 心おきなく攻撃できるわ!《バギ》!!」

マナは《バギ》で懸命に《どくいもむし》のHPを削っていく。


リオは後ろに下がって、距離を取りながら《バギ》を放った。もう敵の懐には入っていけない。

しかし、《どくいもむし》はリオのほうが虚弱であると察している。距離を取ったリオに対して、猛スピードで突進を仕掛けてきた!

マ「危なぁーい!」マナはまた《かばう》を使ってリオを守った!

ダメージは受けないが、《どくいもむし》は邪魔なマナを無数の触手で投げ飛ばした!そしてまたリオに突進する!

マナはひるまずにリオをかばった!

リ「もういいわ!アタシにかまわずに攻撃に回って!動き回ると毒のダメージもかさんじゃう!」

マ「で、でも…!」

そのときだ。

テッテレー♪

マナのコマンドウインドウが何かを告げている!

『マナは特性《毒耐性》を獲得した!

 毒による状態異常は受け付けなくなった!

 獲得条件は、1回の戦闘で5回以上の毒攻撃を受けることである』

リオを懸命にかばい続けたマナは、普通ではなかなか起こりようもない、1度の戦闘において5回も毒攻撃を受けるという稀な戦況をこしらえたのだった。そしてその成果として《毒》耐性を手に入れた!

マ「やったぁ!頭が痛くない♪HPも減らなくなったわ!

 えぇい、《バギ》ー!!」

リ「こっちも!《バギ》―!!」

二人の《バギ》が命中し、ようやく《どくいもむし》をやっつけた!




リ「ふぅー。最初っから死闘だったわね!

 ちょっとこのゲーム、難易度調整間違えてんじゃないの!?」

マ「あははは、リオ―!」マナは嬉しさのあまりリオに抱き着いた。

チャララララッチャチャー♪レベルアップのファンファーレが鳴った。リオ、マナ二人ともに、レベル5に上がった。そして二人は解毒呪文《キアリー》を覚えた。

リ「そっかー。レベル5で僧侶が《キアリー》覚えて、そんでこの洞窟に来るのが普通なパーティの定石ってわけね」

マ「やっぱちょっと早かったの?」

リ「そうね、ちょっとだけ早すぎたようだわ。アタシたち、どちらか言えばゆっくり準備して、しっかり戦力整えてから先に進むべきよ。弱いから、基本的に!」

マ「弱くないよぉ♪」マナは自信に満ちて笑っている。

リ「勝ちはしたけど弱いのよ!戦士と魔法使い連れてきてたらこんなに苦労してないわ!

 でも弱くてイイのよ。それを知恵でなんとかするのが楽しいんだから♪」

マ「知恵と、愛情でね♡」マナはまたリオに抱き着こうとした。そしてリオはそれを突き飛ばすのだった。


テッテレー♪

二人のコマンドウインドウがまた何かを告げる。

『リオ、マナは特性《ジャイアント・キリング》を獲得した!

 敵が自分のレベルよりも一定数高いとき、こうげき力が2倍になる!

 獲得条件は、ボスモンスターをパーティ全キャラの合計レベル10未満で倒すこと』

マ「おぉ~またなんか覚えたよ?」

リ「《ジャイアント・キリング》♪コレはイイ特性を身に着けたわ!

 まぁちからを上げるつもりのないアンタには意味ないけどっ!」

マ「低いレベルで来ちゃって、運よかったのかな?」

リ「なんだかよくワカンナイわ!」



マナとリオのステータス・その1





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