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CHAPTER 14

CHAPTER 14


翌朝。

遠く離れたムーンペタの宿屋で目覚めたことを思い出すと、2人の王子は隣室のムーンブルク王女のもとへ駆けつけた。

ロ「どうだ?目を覚ましたか?」

そこには、未だ眠る王女を静かに看病するミユキの姿があった。

ミ「シー!ローレ様おしずかに」

しかしその物音によって、王女は静かに目を覚ますのであった。

ム「う……ん」

3人「王女!!」

ム「は…!ここは!?」

ミ「ムーンペタの宿屋でございます。

 ムーンブルクの王女様、でございますよね?」

ム「あなたたちは…。

 あぁ、思い出しました。

 私を恐怖と孤独から助け出してくれたお方。

 サマルトリアの王子と、きっとローレシアの王子ではないでしょうか?」

サ「そのとおりです」

ロ「健康状態は悪くないらしいです」

ム「はい。

 ………。そうですね。顛末を話しましょう」

ロ「よろしく頼む」


ム「魔王軍の襲来がありました。

 城の者たちは抗いましたが、勝ち目がないことを悟りました。

 すると従者たちは、私を地下の台所へと閉じ込めるのでした。

 『あなただけは死んではいけない。希望の光だから』と。

 台所は暗くて寂しい場所でしたが、食料はたくさんありました。私は恐怖に震えながらも、食料を食いつなぎながら救助を待ちました」

サ「わかった。ありがとう。

 希望の光。ムーンブルクの王女は偉大な魔法使いだと聞いています」

ム「いいえ、私は自分が希望の光だなどとは思いません。

 しかし、民がその命を犠牲にして私を救ってくれたこの出来事のさなかで、私は思いました。

 『希望の光にならなくてはいけない!』と。

 今がそうでないとしても、そうならなければ!そう強く思いました。

 台所の暗闇ではときに死にたくもなりましたが、生き延びなければならないと懸命に心を保ちました。

ミ「王女様…!!」ミユキは目に涙を浮かべながら、王女の両手を握りしめた。

サ「あんまり気負わないことさ。

 今出来ることをやってりゃ、そのうちどうにかなる」

ム「えぇ」王女のまなざしはしかし、緩むことはないのだった。



『転生したらローレシアのメイドさんだった件』

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