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CHAPTER 29

CHAPTER 29


様子を見ながらしばらく川べりを歩くと、怒鳴り声が聞こえてきた。

?「ですから、この川の水は清めの水なんかじゃないんです!どうかわかって!」

先ほどの戦士の仲間だろうか?立派な装備をした女性僧侶が、川に入りたがる老人を通せんぼしている。

老「元気がないから、神様の川に入りたいんじゃよ」

僧「ですからねお爺さん、この川に入ったら、ますます元気がなくなってしまうんですよ!」

老「でもこうしてわんさかみんな、病人が川を頼ってきてるじゃろが。

 昔からわしらを守ってくれた、ありがたーい川なんじゃよ」

僧「もう!逆なんです!

 川に浸かってしまうから、みんな体を病んで横たわってしまうんですよ!」

老「じゃから、川に入って治すんじゃよ」

…押し問答が続いている…。


サマルはその勇敢な僧侶に声を掛けることにした。

サ「どうされたのですか?僕ら冒険者です」

僧「あぁ、もうここの人たちは危険なんです!」

僧侶の気がサマルに逸れているうちに、老人は川へと入っていってしまうのであった。サマルはそれを食い止めることはもうあきらめていた。

ム「ここの川は何なのですか?神の川だとか…」

僧「神の川でもなんでもないんです。少なくとも今は。

 でもこの町の人たちは、これが聖なる川だと頑なに信じてしまっているんです!」

サ「この町がうさん臭いのはわかるよ。

 でもさ、体を癒す川って本当にあるんだ。ここから西にアモールって村があるんだが、そこの水はどうやら、本当に体を癒す効果があるようでさ」

僧「その川のことも知っています。そしてその川の影響で、ここの人たちはこの川だって奇跡の川なんだろうと信じてこんでしまうんだと思います」

ロ「なるほど。複雑な問題だな…」

サ「するとやっぱり、アモールの滝つぼみたいにホントに癒しの効果があるんじゃないか?」

僧「それはないです。もう確かめました。犠牲を払って…」

サ「どういうことだい?」

僧「私の仲間が、この川の水を飲んで熱を出しました。

 私はもしやと思って、《キアリー》を掛けたら、彼の病気は治ったんです。《キアリー》が効くということは、毒性があるということがわかります」

サ「すごい!君は優秀だよ!」

僧「でも誰もわかってくれないんです!

 これ以上町の人が川に浸かり続けたら、町がボロボロになってしまう!!それどころか私の仲間まで…」

サ「あぁ…!」

さっきの戦士は川の水が癒しの効果を持つと信じきっているようだった。戦士も神の川に盲目し、僧侶と仲たがいをしたのだろう。

僧「遠い昔、この川がどうであったかはわかりやしません。でも、今は悪魔の川です。

 信仰は、国や親に強要されるべきものではないのです!

 知性のない者が始めるべきではないのです!」



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