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CHAPTER 33

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月2日
  • 読了時間: 4分

CHAPTER 33


サ「すごいなー!さすが大国の兵士長だぜ!」

サマルは美麗に光る立派な剣をかざしながら、興奮気味に言った。

ミ「サマル様にはやはり、美しい細身剣がお似合いですね♪」

スウォンから贈られた、《聖銀のレイピア》である。いかにもサマルに相応しい、凛々しい細身剣だ。

ローレに贈られたのは《バスタードソード》であった。純粋に攻撃力の高い王道の剣だ。ずっとオノばかり装備して物騒ないでたちをしていたが、急に高貴な王宮戦士のような風格を帯びるのであった。

ムーンには《いかずちのつえ》だ。これはなんと、国に伝わる一点ものとのことだった!道具として使うと《ベギラマ》の効果があり、MPを消耗せずにかなり大きなダメージを与え続けることが出来るようになった。

スウォンは、男2人とばかり話をしたが、このパーティにおける魔法使いもただ者ではないはずと期待をしていた。それゆえの一点ものの贈呈である。

ただし、世界的に見てもレアなお宝であるため、窃盗に気を付けるように、と釘を刺されるのだった。


贈られたのは武器ばかりではない。

ローレには《まほうのよろい》と《まほうの盾》も授けられた。守備力の高さと見目麗しい装丁を誇る。その上呪文ダメージを少々軽減する効果まであった。《バスタードソード》と併せて、ちょっとした王宮高位戦士にも見える。これまでの、ひょっとしたら護衛どころか盗賊にも間違われそうな風貌はどこへやらだ。

サマルには《ノーブルコート》と《ルーンバックラー》という盾が。《ノーブルコート》もまた貴族の騎士を思わせる見目麗しい防具だが、鎧よりも身軽な素材になっている。《ルーンバックラー》は、魔力を高める効果のある魔法戦士的な者向けの盾だ。

ムーンは《まほうの法衣》と《さとりの冠》が贈られた。《まほうの法衣》はやはり攻撃呪文の威力を軽減するありがたい効果があり、魔法使い向けの防具としては守備力も高い。《さとりの冠》にもやはり魔力を高める効果があるのだった。

そしてミユキには 《ふしぎなボレロ》が贈られた。これまた城においては一点ものということで、その大盤振る舞いに一行は驚嘆する。しかし、さらに驚くことがあったのだ!

これ、「《太陽の紋章》じゃないのか!?」

ボレロの内布にはなんと、《太陽の紋章》が縫い付けられていたのであった!!


贈り物は国の税金で賄われているわけで、スウォンが太っ腹だったとも言い難いが、しかしやはり太っ腹であった。スウォンは「仲間になることは拒否させない」と言ったが、あながちそれは心からの言葉だったのである。この一行のパーティに加わることは諦めたが、彼は彼なりに「仲間」のために何が出来るか、魔王討伐のために自分に何が出来るかを、熟考したのだ。

高圧的なもの言いしかできない不器用な男だったが、光る何かがあるのであった。



一行は城から出るように歩いた。

サ「そうか。城下町にやたら兵士っぽい男が多い理由がわかったよ。

 あのスウォンという人が下っ端兵の大半を解雇したからだね。 

 でもそれで昼間から酒を吞んだくれてるんだったら、兵役から解放したのって良いことだったのか悪いことだったのか…」

ミ「あの銀行強盗ももとは城の兵士だったそうです。仕事を失いお金に困って…」

ム「仕事を失った人のすべてが銀行強盗に走るわけではないわ。兵役解放が悪政とも言い切れないでしょう」

ロ「物事はうかつに結論づけられないということだな。

 失業の混乱も、時が経てばやがて落ち着くんじゃないか?」

サ「そうあることを祈るばかりだね。余所者の僕らに出来ることは少ない」


そう遠くない場所に、グビアナ城という大国があることを聞いた。

そこも古い情報やものを数多く伝え継いできているようで、何か得るものがあるのではないかと思われた。

一行は次の目的地をそこに定めた。


魔物との戦いにジリ貧を感じていた最近だったが、スウォンから贈られた武器や防具により、形勢は大幅に逆転するのだった。ローレの一太刀はダメージが100を大きく超え、ムーンの《ベギラマ》はMPを消費しないにも関わらず70前後ものダメージを敵全体にお見舞いした。


土地勘を得ながら平野を旅していると、人里離れた屋敷を見つけるのだった。古びているが、大きな家だった。

一行は興味を惹かれて屋敷を覗いてみた。

女「おやまぁ、ここは辺境の孤児院ですよ」気の良い女性が子供を2人も3人も抱えながら顔を出した。

一行がもてなしを受けられるような場所ではないと見え、早々にお暇することにした。


豊かな街のそばには人里離れて暮らす者がおり、そのコントラストがいつも彼らに物思いを起こさせるのだった。



『転生したらローレシアのメイドさんだった件』

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