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CHAPTER 41

CHAPTER 41


サ「ちょっと話しかけてみようか」

ミ「仲間になってほしい感じではないですぅ(汗)」

サ「そういう目的じゃなくってさ」

サマルは物おじせず、勇者リックとやらに近寄っていった。

サ「どうも。始めまして」

リ「なんだね?話はまずマネージャーに通してくれないと」

ム「ずいぶん高飛車な勇者様なのですね」

モ「麗しいレディ、そんな意地悪を言わないでくれよ。私も忙しい身なんだ。

 で、マネージャーだよ。敏腕そうな魔法使いがいなかったかその辺に?」

サ「ああ、いえ。僕らも同業者なもんで」

リ「うん?あぁ、そのようだな。冒険者パーティーなのか」

サ「ずっとお悩み解決をしながら旅をされてきたのですか?お二人で?」

リ「いや?魔王退治のご一行だよ。サマンオサって国のもんさ」

ロ「魔王って、大神官ハーゴンを?」

リ「そうだよ当然さ」

ム「こんなところで油を売っている場合じゃないですわ。

 西ではハーゴンの手先に壊滅された城もあるのです」

リ「知ってるよ。ロトの子孫の王女の国だろ。

 僕らもその事件に胸を痛めて国を出たんだから!勇ましいだろう?

 魔法使いのお嬢さん。君を仲間にして差し上げようか?なぁに受付の仕事でもいいよ」

ム「結構です!」

ロ「二人でサマンオサからここまで旅をしてきたなんて、相当の実力ですね」

リ「いや元々は4人いたがね。

 エンドールって町で宗教に夢中になっちまった仲間がいて。なんかパーティが空中分解しちまってさ」

ロ「あの戦士か!」

リ「魔法使いも神の川だのにそそのかされて食中毒起こしちまうし。

 邪教など早く滅ぼされなければならん」

サ「あなたのところの僧侶さんは、エンドールの町を救おうと必死になっていましたよ?」

リ「知ってるのか私の仲間たちを。

 そうなんだよ。僧侶ときたらカネにも名声にもならんことに熱中しちまってね!仕方なく魔法使いと2人で冒険を続けてきたってわけさ。勇ましいだろ?2人旅なんて」

サ「『強い』ですね!リックさん、すっごい『強い』です!」

ム「…それで、いつからこの町にいるのです?」

リ「10日くらいかな。その前は砂漠の村で盗賊退治をしていたよ。ふふん!」

ム「勇者っていうか…用心棒ですね?」

リ「なにを言うか!

 私はグビアナ国の格闘大会で優勝した経験も持つ、由緒正しき勇者だぞ!」

ロ「おぉ、素晴らしいですね!

 僕らも旅の用心棒なので、負けないようにがんばります。この町はあなたにお任せしますね」

リ「はっはっは、言わずもがなだ!」

ロ「では、さようなら」

リ「君たちもがんばりたまえ。ともに世界を救おうじゃないか!」


一行はそそくさとリックから離れてきた。

ミ「…同じ勇者でも、こんなにも違うのでしょうか?」

ロ「みんな当初の目的を見失ってしまう。どんな職業の人も同じさ」



一行は空腹を満たすために食堂を探した。

大きすぎず小さすぎず、一通り何でもある町だ。少し手を伸ばせば何でも得ることが出来る。

何かこの土地の名物を食べたい、とも思うが、「名物ふわふわオムレツ!」と派手に看板に掲げる店はどこも価格が旅行者向けで高いのだった。お金がないわけではないが、そういう商売人を嫌う一行だ。

庶民的な食堂を選んで尋ねても、やはり名物のふわふわオムレツは置いているのだった。お皿が豪華か質素か、そんな違いしかないのだ。

店主は一行に介入するわけでもなくさばさばとしている。


一行は空腹を満たしながら、雑談をするのだった。

サ「しかし魔王ってどこにいるんだろうな?

 これまでよく考えたこともなかったよ。

 ご先祖さんのロトの時代には、王城の対岸の城に住んでたらしいぜ。

 ハーゴンってのもどこかの国の主なのか?」

ロ「そういう国があるなら、もっと情報が入ってきても良さそうなもんだな」

ム「大神官と言うなら、国ではなく教会の主なのかしら?」

サ「国よりもっと小さい組織を束ねてるって可能性はあるな。

 それなら辺境の地にひっそりとアジトがあってもおかしくない。

 …そうか。どこかにいるとしたら辺境の地だな!

 立派な城を構えてんのはご先祖様のときの例外事案だけだぜきっと」


ロ「宗教っていうのは何なんだろうな。

 考えてみると、あまりよく考えたこともなかった。

 そしてやっぱりよくわからない…。

 グビアナの神父は言ってた。神は人に生き方を示す者だと。

 大神官ハーゴンというのも、何か彼なりの教義を信徒に示しているのか?」

ム「ハーゴンの宗教に信徒っているの?」

サ「無数の魔物たちが信徒ってことかな」

ロ「すると、神の啓示に従って魔物たちは人間を襲う、ってことか」

ム「ものを思考する理性を持たない魔物も大勢いるはずだわ。ドラゴンキッズとか」

サ「しかしあの港町のナイトリッチとかは、意志を持ってワンワンを襲ったんだろう?」

ロ「そうであるはずだ。

 奴らにとっては、『裁き』を加えようと思ったんだよ人間に。

 歯向かう人間が現れて、命の危険があるかもしれないが、人間討伐の命に出たんだよ」

サ「ははは!まるでどっかの王子様と同じ構図だぜ!」

ロ「そうだ。『同じ構図』だ。同じ構図だな…」

ム「相当に強い正義感や使命感を持って、港に襲撃に出た…ということになるわ」

 自分の心理と照らし合わせると、そういうことになる。


サ「するとだぜ?

 なぜ大規模襲撃の第一手が、ポートセルミやグビアナじゃなくムーンブルクだったんだ?」

ロ「神は悪人に、裁きを与える。はずなのに…」

サ「そうだよ。その理屈で言うなら、商売や快楽やペテンにかまけてばかりいるポートセルミやグビアナの民に鉄槌を喰らわすのが筋ってもんじゃないか?」

ミ「ムーンブルクの民は善良ですわ!」

ム「そう信じてるわ!もちろん色々な人がいたけれど、ここまで幾つかの国や町を見たのと比較すれば、善良な国であったと思う」

ロ「…なぜハーゴンは善良なムーンブルクを攻撃した?」

サ「1つ考えられるのは…

 ポートセルミやグビアナなどの快楽的な民は、人間にもかかわらず他の人間を侵略したりだましたりする可能性が高いってことだ。つまり、放っておいても人間に制裁を喰らわす駒になる」

ム「快楽的な人たちが正義の英雄になるの?」

サ「歴史が物語る一般論から言えば…

 快楽的な者たちは争い奪い合いを繰り返すから、やがて自滅するんだよ。

 勝手に人間たちを攻撃して、勝手に戦争に発展して自滅していく。

 一時的には英雄になっても、やがて誰かに襲撃される」


ム「じゃぁ、ムーンブルクを襲撃した意図は…」

サ「ムーンブルクが持つ魔法力と正義心が、魔王軍にとって脅威だから、かな」

ロ「なんかそんなようなこと、スウォンも言ってたな。魔法が一番脅威だって」

サ「ムーンブルクは恐らく、魔王軍のことは攻撃してもグビアナを攻撃はしないだろう」

ロ「それでは愚かな人間に鉄槌を喰らわすことができない、と」

ム「それは大神官ハーゴンにとって都合がよくない。それは道理が通るわ」

ミ「ぷすんぷすん…!

 話が難しすぎますぅ~(汗)」



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