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CHAPTER 53

CHAPTER 53


次に見かけた人物は農夫だ。

この家には広い庭があり、ほとんどが畑となっている。

サ「どうもこんにちは。何を作っていらっしゃるんですか?」

農「ん?何作ってるかって?ネコだっぺ」

サ「ネコ!?」

ミ「おじさま、ネコは畑で生まれるものではないのでは?」

農「いんやぁ、場所に制限はねぇっぺ」

サ「いや、ネコっていうのは動物ですよ(汗)」

農「んだ。昨日はトウモコロシだから、今日はネコに挑戦だ」

ミ「えぇっと、おじさま、今はどんな作業のところですか?」

農「今か?今は顔のりんかく描いてるとこだっぺ」

サ「描いてる!?」

農「んだ。クワで地面に、ネコの絵描いてんだ。悪りぃか?」

サ「はははは野良仕事じゃなかったのかー!」

農「おらまだ下手くそだからなぁ。

 みんなに見られんの恥ずかすぃから、地面にこっそり描いてんだ。

 何度描いても消せるぞ。紙もムダになんねぇ。

 …あ、おめーら!

 この畑の上を調べたらだめだぞ!絶対にだめだ!」

サ「え?そう言われたら気になっちゃうな…」

サマルはそれとなく足元を調べた。

なんと、《うまのふん》を見つけた!

サ「ぎゃー!なんだこりゃ!」

農「だから言ったべぇ。親切で言ってやったのによぉ」



隣の家の庭では、老婆が揺り椅子で手芸をしている。

サ「あれ?それは紋章では?」

婆「そうですよ。ほほほ」

老婆が刺繍しているのは、《太陽の紋章》だった」

ム「この町にいるだけで、複数の紋章が手に入るってこと…?」

サ「レプリカを、丁寧に作っているんですか?」

婆「レプリカとも言える。本物とも言える。

 これは時と場合によって性質を変えますねぇ」

ロ「ある意味、紋章を刺す手芸家を見つければ5つ全部手に入り得る」

婆「それで、紋章が求道者を『新たな領域』に導くと思いますか?ほほほ」

ミ「だめなのですか?」

婆「あなたたちは…」

老婆は椅子をゆらゆらと揺らした。

婆「紋章ではなく、『経験』を集めているのです」

一行「…!!」

婆「それぞれの紋章を集める、その経験に意味があります。

 そのプロセスの中であなたたちは成長し、気づきを得るでしょう。

 ズルをしたって、それ以上先には進めんのです。魔王に勝つことはない。

 あなたがたがどうやって紋章を得たか、それを静かに見ている者がいる。

 守護天使ですよ。守護天使はありのままを他の神に報告する。

 人は、天使の前で、何も偽ることは出来ません」

ロ「好都合です。僕は偽ることのほうが苦手なので」

サ「ははは!」

婆「ほほほ。素敵な殿方です」


ム「お婆様。少し話が反れますが…

 5つの紋章を集めると、何に導かれるとおっしゃいました?」

婆「5つの紋章を集めし者は、『新たな領域』に導かれる。

 『新たな領域』とは何でしょうねぇ。ほほほ」

それもまた経験の中で気づかなければならないのか。



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