episode27 『王と悟り』
episode27
マーディラスから東へは、大きな森を越えることになる。森というより山か。
さすらう地形が一気に変わってきた。川を横目に荒野をさすらうフェーズはもう終わった。
森に入ると魔物の生態系はまた変わりだす。
ひとくい草は食虫植物である。いや食人植物だ!

図鑑では見たことがあったが、植物がこのように人を襲うというのは衝撃的だった。まぁ魔力によって狂暴に変種させられているのだろうが。
森の中に子供の迷子が!と思ったら今度はおおきづちであった。

大きな木槌を持ち器用に振り回す、小さな獣である。森の小人が悪に寝返りでもしたのだろうか。
ハンマーのようなもので思いきり叩かれることは、場合によっては骨が砕けそうな強烈な衝撃を被る。剣を辞め特殊な武器を買ってきたことに少々のためらいを感じたりもしたが、剣こそが最も強いわけでもないような気がしてきた。
そして!やはり人と見間違える衝撃的な魔物が巣食っている。緑色のとんがり帽をかぶった、浮遊する悪魔だ。

杖を持っているのでもしやと思ったが、《メラ》という炎の攻撃魔法をぶつけてくるのだった!思い出したぞ。レベルについての本に記述があった。みならいあくまが倒せたらレベル10だ。これがそのみならいあくまだろう。
魔物は3匹、4匹と徒党を組んで現れることが多くなり、集団攻撃を得意とする《チェーンクロス》を購入したことは間違っていなかったと思える。
それにしても、この森に巣食う魔物は・・・魔法都市カルベローナに着く前に、ここももう魔法なるものの介入を感じさせる。みならいあくまなどというのはもう確実に、動物の突然変異とは思えない。
目的地へ達するには、森を抜ける必要があるのだと思っていた。しかし一向に森は、山は終わらない。
もう日は落ち切ろうとしている。野宿になる前に何かを見つけたいと焦り始めた頃、前方の奇妙な光景にソロは言葉を失った。
ソ「うわぁ・・・!」
なんと、色とりどりの光の玉が飛び交っている。カラフルな蛍、という感じだ。なんだこれは!?何かのお祭りなのか?しかし静かだ。カレンの国では、墓地に火の玉が揺れるのを見る人がいる、という噂があるが、そういうおどろおどろしいものではない。
幻想的で美しいのだ。
光に吸い寄せられるように歩いていくと、なんと森が切り拓かれて里があった。



