episode49 『王と悟り』
episode49
意を決して、ソロは抜け道への侵入を試みる。
真っ暗だ。しかしソロには《レミーラ》の魔法がある。周囲は明るくなった。
これは明らかに、人の手によって掘られた洞窟だ。やはり脱出のための抜け道だろうか?それとはまた別のものかもしれないが、恐らくそうだろう。そしてこの宮殿の民は、この洞窟を掘りながら体を鍛えていた、のかもしれない。
なんと道はいきなり左右に分かれている。正面は壁だ。しかしそこには横笛を吹く女神のような像が置かれていて、人が壁に衝突することは防がれている。
ソロは適当に右の道に進んでみることにした。
ソ「えぇと、まずは入口をきちんと塞いでから」
右の道を真っすぐ行くと、やがてT字路となる。左に曲がるか、真っすぐ進むか。どっちだ?
つまりこの抜け道は迷路だ!下手に迷うとここで飢え死にする!!
ソロはそれ以上先に進むのをやめた。
引き返してくる。
さっき元に戻した黒板の背面が、洞窟の壁とは違う色をしていることを確認する。この色が帰りの目じるしだ。
うーん。どちらに進めばいい?
ソロは考える。
フルートを持った女神の像は、「いってらっしゃい」と言っているのだろうか。表情もメッセージも汲み取れない。
しかしソロは、そのフルートを見て、連想的にさっきのわらべ歌を思い出した。
ソ「最初は左手お次は右手・・・
うぉー!これのことじゃないの!?」
正面に道がなく、いきなり左右に分かれている特徴的な造りは、あのわらべ歌と相性が良すぎる。
そして、わらべ歌に迷宮のヒントが隠されているというのは面白い。
なぜかって?仮に大人たちが外敵の襲来によって滅ぼされてしまっても、連れていかれてしまっても、残された子供は、誰しもここを抜け出すヒントを知っていることになる。
わらべ歌に託すことによって、この宮殿の子はすべてがそのヒントを知ることになる。
ソロは慌てて歌詞を思い出す。
要約すればとてもシンプルだ。左、右、右、左、と伝えている。そして1番が終わり、2番も同じだった。左、右、右、左だ。要点は子供でも理解できる、とてもシンプルなものだ。
ソ「しかしフルートばっかりじゃなくて、こういうときオーボエを吹く像でも造れば洒落てるのにな。いやどうでもいいこと考えてる場合じゃない!」
スタート地点から今度は左に進む。しばらく行くとやはりT字路に辿り着く。
真っすぐ伸びる道か、右に直角に曲がるか。
ソ「最初は左、次は右!だからこれは右だろう」
ソロは唄を確認しながら右の道に決める。角を曲がろうとすると・・・
シュルシュルシュルシュル!
細長い触手が不意に、ソロに襲い掛かってきた!
ソ「魔物か!どこだ!?」
それは天井だった!触手を持った大きな目玉が貼り付いている!ダークアイというモンスターである。

天井に貼り付いた敵は《大金槌》では不利だ。ソロは《チェーンクロス》を選択して、敵の触手に応戦した。
侵入者を偵察する駒か?と思ったが残念ながらそうではない。このほら穴は人工でありながら、魔物の巣窟なのだった。しかも山に生息する魔物よりもさらに強い!
魔物を倒しながら進む。わらべ唄のとおりに進むと、袋小路にはぶち当たらないのだった。そして8つの分かれ道を越えると、そこからは一本道が真っすぐに続いていた。
徘徊すること5時間・・・ついに行き止まりに達した。空間は少し広くなっている。
ソ「いきどまり・・・!?」
ここに来て袋小路なのか!?ソロは青ざめる。
待て!落ち着け!
ソロは冷静に辺りを見回す。
正面の壁の上のほうに、小さな白い丸が見える。どういうことだ?真っ暗な洞窟なのに。
ソ「光だ!」ソロは気づいた。外光が射して白く見えているのだ。
ソロは力技で壁を壊した!
ドフっ!ドフっ!ドフっ!
ドゴ―――――ン!
なんと、洞窟の向こうには世界が広がっていた!!

