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episode79

2 時間前
読了時間: 4分

episode79

オリンピアの町並み
オリンピアの町並み

そこに1人の大男が現れる。

男「おぅおぅ!来月までなんか待ってられやしねぇよな!オリンピアの男はせっかちだ!

 今日は7年連続チャンピオンのショウ様が、ポケットマネーでプチ大会を開いてやるぜ!」

ショウ 『王と悟り』
ショウ キャラデザ by 絵夢さん

年齢:30歳 身長:210cm


衆「おぉ!?」

男「参加料は10ゴールド(約1,000円)。オレ様に勝ったら100ゴールド(約1万円)やろう!

 はっはっは!」

衆「自腹で大会を開くなんて、太っ腹だなぁ!」

筋肉自慢のショウとやらは、民にも慕われているようだ。

グ「ソロ。今度はそなたがやってみたらどうだ?」グレイグは冗談半分で言った。

ソ「いやぁ勘弁してくださいよ!」ショウはとても強そうに見える。

シ「なに?そんなガリガリが? 

 悪いがね、体重制限があるってもんだよ!そんなガリガリと戦ったんじゃぁ一瞬でひねりつぶしちまうからなぁ!」

衆「わっはっはっは!」

グ「じゃぁ武器を使っていいというハンデはどうだ?」

シ「なに?面白いことを言うじゃないか!

 いいだろう。武器を使ってかかってきたまえ!」

グ「手加減をしてくれるんだろうな?生死をかける場面じゃないぞ?」

シ「はっはっは!わかってるよ。この国のレースに殺生はご法度さ」

グ「手加減してくれるそうだ。ソロ、武闘家と戦ってみたことはあるか?」

ソ「無いですけど」

グ「良い機会だ」

ソ「ふーむ。まぁいいか。手加減してくれるなら」

グ「尻もちを着いたら負けだ。それで良いか?」

シ「はっはっは!良いだろう良いだろう」

衆「やっちまえショウー!他所の国のヤツなんざ打ち負かしてくれよな!」

衆「いよ!アンタが英雄ー!!」


ソロはドキドキしながら前へと出る。

代わりに聴衆たちは2歩3歩引く。

ソロは《大金槌》を具現化して構えた。

ソ「行きますよ!

 えぇぇーーい!」

ソロは《大金槌》を振りかぶりながら駆け込んだ!

そしてショウに向かって振り下ろす!

なんと!

ガシ――――ン!!

ショウは2つの手と力強い後ろ足で、大金槌を真っ向から受け止めた!

そのまま槌の部分を掴んで持ち上げ・・・

ソ「わわわわ!」手を離さないソロは宙づりになる!

ぶん投げた!

ソ「うわー!」

ドシーン。ソロは5メートル向こうで尻もちをつく。

ソ「こ、降参ですよ!」

シ「どうだ!わっはっはっは」

ソ「つ、強いです!僕もまだ本気を出しちゃいないですけど、それにしたって強いです!

 どうしてそんなに怪力なのですか!?」

シ「わははは!知っておきたまえ余所者よ。

 この国は昔は戦争自慢だったのよ!戦いで鍛えた筋肉は伊達じゃないのさ!わははは」

ショウは勇ましく力こぶを作って見せた。

ソ「へぇ・・・!」

グ「流石の力自慢だな。ほら、掛け金だ」グレイグは自分が10ゴールドを肩代わりした。

シ「あんたも戦っていけよ?」

グ「私は見掛け倒しだよ。鍛えて来年来るかな」

2人は人だかりを後にする。



グ「それにしても妙だな。オリンピアがスポーツ国家だって?魔王討伐の先陣を切るんじゃなかったのか?」

グレイグはいぶかしげている。

そのとき、武器屋の前を通った。

ソ「武器屋の親父に話を聞いてみたら?国の歴史とか詳しそうですよ」

2人は武器屋の軒をくぐる。


武「おう、ここは武器の店だ。どんな用だね?」

グ「済まない。武器を欲しているわけではないのだが」グレイグはとても律儀である。

武「あん?」 

グ「この国はいつの間にスポーツに呆けるようになったのだ?10年前はこうじゃなかったはずだが・・・」

武「あぁ、こちとら商売あがったりで困ったもんだぜ!槍投げの槍しか売れねぇ!」

ソ「それで?」

武「10年くらい前は確かに、この国は戦いに熱を入れてたさ。

 魔王をやっつけてやるんだってさ。それに血なまぐさい隣国を全部蹴散らしてやるつもりだった。

 でもよぉ?魔王ってやつは一向に攻めてこないんじゃんかよ?」

ソ「そう。そうなんですよね」

武「それで一旦、戦闘訓練はヤメにしようってことになったんだよ。王様の号令でさ。

 ホントは南側にでっかい物見矢倉と砲台を造る計画だったんだが、それも流れたな。要らないだろってな。

 でも体が鈍ったら困るだろ?だからスポーツさ。

 槍投げからサッカーまで、色んなスポーツをやるのさ。そんで毎月何かしらの大会をやって、毎年大きな大会をやるのさ。男はみーんなスポーツやるぜ」

グ「隣国からの侵攻や魔物の侵入が、たまにはあるのだな?

 壁や建物がところどころ朽ちているのを見たが」

武「いや、別に外からの侵入はねぇよ。

 みーんなスポーツに夢中なんだよ。だから砲丸投げて壁に当たっちまうこともあるし、家の壁が崩れてもパパは直せねぇのさ。教会なんかどーでもいいから、尖塔の工事はしねぇんだよ」

グ「少々問題ではないのか?」

武「そうだろうがね。男たちはスポーツが楽しけりゃあとはどうだっていいのさ。見る側も熱狂してるよ。うるせぇうるせぇ!王様も気にしてないんだよ。スポーツでもカネは稼げるしなぁ」

グ「なるほど。邪魔して済まなかった」

2人は武器屋を出た。段々とこの国の色が見えてきた。

ソ「困っている人が、いる気がしますね」

グ「あぁ、そういう気配がする」

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