episode80 『王と悟り』
episode80
武器屋からはこの国の内情を聞けた。
腹ごしらえをしよう。食堂に入る。
しかし店内は何やら揉めている。
男「おい早くしろよ!弁当は2つだぞ!3時のおやつと夕食と2つだ!」
女「は、はい。ちょっと待っておくんなまし。お客さんが切れなきゃ詰められないですよ」
夫が怒り、妻が困っているようだ。
男「もういい!俺は行くからな。あとで球技場に届けにこいよ!」
女「は、はい!」
男は行ってしまった。
2人はテーブルに座る。
ソ「あのう、お弁当届けましょうか?」
女「え?いやだぁ聞かれたんですね恥ずかしい。
いえいいのですよ。後で時間作って行きますから」
おかみは忙しそうだ。邪魔しては悪い。2人はまず食事を摂った。
食べ終わる頃には店は空いていた。
グ「おかみさん。他所の国の者なんだが、しばし話が聞けるだろうか?」
女「えぇちょっとなら。どうしたんです?」
グ「私はどうもしないのだ。この国を心配しているのだがね。
最近女たちが怠けるようになった、と街で男たちが言っていた」
女「そんなことを言わないでおくんなまし!」
グ「あぁ、私はそなたの味方だ。街を見ていて、男のほうに問題があるように見えた」
女「・・・・・・。何にも言えません私は」
グ「なぜ女が怠け者だと、そんな話が立つのだろうか?」
女「男たちがスポーツばっかりで働かないし、国が荒れるし、カリカリしてるしで、女たちは旦那に尽くすのが嫌になったんですよぉ。それで不満顔の女が多いでしょうね。どこの家庭もそうです」
ソ「あぁ、それは可哀そうですね!」
グ「しかし、スポーツをすることが仕事だというわけでもないのか?」
女「仕事とも言えますけど・・・大会に勝ったら賞金が貰えるんですよ。強い人はいいけど、弱い人はお金になりませんから。うちの人みたいのは」
グ「それではおかみさんは苦労ばかりだ。
その問題をどうにかしてやりたいと、余所者ながらそんなことを思ってしまうんだが」
女「どうにもなりやしませんよ!いえありがたい言葉ですけどね」
ソ「戦争するのと、スポーツするのと、どっちがマシなんでしょう?」
女「戦争してほしいなんて思いませんけどね。でも壁の修理くらいは男たちにやってほしいもんですよ。矢倉は造ったほうがいいんじゃないかってね、女たちは不安に思ってます」
グ「とりあえず街は安全だと聞いたが。防衛戦くらいはやるわけだな?」
女「いいえ!国の平和を守ってるのも女たちです!
うちの娘はヘトヘトですよ!」
グ「なに!?」
ソ「えぇ!?どういうこと!?」
女「街の四隅に神殿があります。そこで巫女たちが毎日いっしょ懸命に結界を張ってるんですよ。だから魔物は入ってこれないのです」
ソ「男たちがスポーツにかまけてるから、女たちが国を守っている!?」
女「そうです。それが惨めで仕事を放棄する巫女もいます。するとまた男たちが、『怠慢だ!』って怒り出す・・・。でも女たちは何も言い返せません」
ソ「言い返すことが、出来ませんか?」
女「あんなにでっかい体してるんですよ!それで鉄の棒振り回すんですから!」
グ「腕力の威圧だ・・・!
男が最もやってはいけないことだ!!!」



