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『エピソード12 イエスの子らよ』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月4日
  • 読了時間: 2分

舞いくるう粉ボコリがおさまって、声の主が見えてきたわ。

なんと、ヨボヨボのお婆さん!

「ごめんなさい!

 粉袋、おばあ様の頭の上に落ちてしまったのね!?」私は謝った。

「ほっほっほ!髪はもとから真っ白じゃわ。もう80じゃからの。」

粉で真っ白だけど、よくよく見れば、修道服を着ているわ。

こんなお年寄りの修道女が、いたなんて!


「よく来たな。手伝ってくれるのか?倉庫の掃除を。」

「はぁあ。やるって言っちゃったから、やるわ。」

エルサはなぜか、ネコをかぶらないでぶっきらぼうに答えた。

「ほっほっほ。そうとんがりなさんな。

 誰もやりたがらない仕事をやるのは、悪いことじゃない。

 イエス様の器に、一歩近づくぞえ。」

「じゃぁおばあさまは、12使徒のリーダーってとこ?」言い争いじゃ負けないのよ、エルサは。

「ワシか?ワシは12使徒どころか、平民の大貧民じゃよ。

 ワシがここにいるのは、人と群れるのがキライじゃからよ。ほっほっほ。」

「ふうん。変わり者なのね?」私が言ったわ。

「そのとおり。ワシは変わりもんじゃ。」

どうやら、本当に変わりもののお婆さんみたいよ。


おばあ様、ヘンなことを言ったわ。

「ところで、

 そろそろ戸を閉めてくれんかの?まぶしくてかなわん。」

「え?もう閉まってるわよ?

 さっきのバタンっていう音、木戸が閉まった音よ。」エルサが答える。

「ふむ?そうか。

 …ふむ。まぶしさの原因はおぬしか!」おばあ様は、エルサを指差して言ったの。

「え?アタシ!?」

「おぬし、すごいな。

 金色のオーラがそそり立っとる。まぶしくてかなわん。」

「は?オーラって?」

「おぬし、やがてリーダーになるのう。国を背負うか、会社を背負うか。」

「あっははは!ありえないわ!」

「おっほほ。今はそれでええ。

 はねっかえりながら遊んでおれば良いじゃろ。

 じゃがな、

 ときどきは、やっておけ?誰もやりたがらない仕事を、な。」

ヘンなお婆さん。でも私、お友達が増えたわ♪



『イエスの子らよ』

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