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えぴそーど55 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年12月24日
  • 読了時間: 5分

えぴそーど55


やがてドーピンの町に到着した。

すると、一人の老人に話しかけられる。

爺「おぉ、お前さんたち良いタクシーに乗っとるなぁ。

 ワシもあちこち旅行したいもんじゃが、体が思うように動かんのだよ」

ヒ「へっへーん♪イイでしょう。

 お爺さんも象かなんか助けてあげたらいいよ。

 ところでお爺さん、何歳くらいなの?」

爺「ワシか?ワシは102歳じゃ!」

ヒ「ひゃくにさい!?

 もっと若そうに・・・せいぜい65歳くらいに見えるよ!」

爺「ほっほっほ!アンチエイジングに励んでおるからなぁ♪」

ヒ「ドーピンの町に、そんなのあるの??」

爺「あるとも!

 顔のシワ取りのえすては月に1回通っとるぞい♪」

カ「・・・逆に、なんでそんなにアンチエイジングに励んでて若く見えるのに、足腰だけは弱いのかしら?」

爺「うーん?どうしてじゃろなぁ。旅行を楽しむ若さも得たいもんじゃが~」

爺さんは行ってしまった。


ヒ「いいな~

 この辺てヒボンよりずっと物価が安いんでしょう?

 それでシワ取りとかアンチエイジングのエステ行きまくったら、チョー幸せじゃん!」

カ「コロッとだまされないでよ。

 アンチエイジングって、顔や見た目だけ若く改造しても、あまり意味ないことよ」

ヒ「えー!そうなのー!?」

カ「今のお爺さんが良い例だわ。

 足腰は鍛えなきゃ衰える一方。それはエステとかサプリじゃどうにもならないのよね」

ヒ「若見えはできても、人生は楽しめないってこと?」

カ「そうよ。それに若見えだってままならないのよね」

ヒ「シワ取りだけじゃなくて、目の下にヒアルロン酸注射もしたらイイんだよ(・∀・)」

カ「だからそういう問題じゃないのよ。本当の若さって」

ヒ「そう?」

カ「たとえばよ?顔が二十代に見える女優さんでも、首に筋が出てて『40代だな』ってわかったりするじゃない?

 声がちょっと低くなってオバサンになったなって感じたり・・・」

ヒ「あぁ~(;・∀・)」

カ「そういうのって、整形とか注入とかEMSとか美容液とかサプリとかじゃ、どうにもならないのよ」

ミ「結局、本当に老けたくなかったら体を動かし続けるしかないのよねぇ」

ヒ「そうなんだぁ! 

 なんでカンナまだ18歳なのにそんなこと悟ってるの??」

カ「私だって若く美しくいたいと思ったからよ♡

 それで何年か前に色々調べたけど、結局は『老化って筋力低下にすぎない』って気づいたのよね。だから私、怠けないの。戦闘も率先してやるでしょ?

 魔法学校の同年代の子たちは、卒業して体育の授業がなくなると、17歳でもうお尻とか垂れはじめるしね。魔法使いなんてなおさら、体動かしたがらない子多いから、体育の授業なくなると太っちゃうのよね~」

ヒ「太るハナシじゃなくて老化のハナシだよ?」

カ「だから、同じことなのよ。

 胸が垂れてくるのも、重いもの持たなくなるから。

 顔が垂れてくるのも、表情筋を使わなくなるから。

 足腰弱くなるのは、足腰使わなくなるから。

 あとは食事?大豆イソフラボン摂っといたほうがいいわよ♪」

一行はおしゃべりをしながら歩いたが、どうもこのドーピンの町は、さっきの老人のように顔ばかりツルツルでイビツに若見えする人が多いように思えた。

カ「なんかまたキナ臭いわね~」


すると、この町でも怪しい人だかりに遭遇する。

?「うぉほん。

 健康こそ幸福。長寿こそ最高の知恵。

 今日も長寿の神・寿孝人(じゅこうじん)様が、民を長寿に導いてしんぜよう!」

衆「寿孝人さまぁ~!」

寿「今日は科学大国ヒボンから、とっておきを仕入れてきたぞよ。

 ホイフというエステマシーンじゃ!超高額品じゃぞ!

 これを顔にブルブルやるだけで、簡単に赤ちゃん肌に逆戻りである!」

衆「すご~い!」

寿「1回200ゴールド(約2万円)である。さぁ並びたまえ」

女「きゃー!なんかプルプルになった気がするぅ♡」

寿「よしよし、美しくなったぞ。

 しかしホイフの効果は1週間だけじゃ。また来週きなさい」

女「え?また来週も200ゴールド払わないといけないのですか?」

寿「そうじゃ。男にモテモテのプルプル肌が200ゴールドなら安いもんじゃろう」

女「そうね!また来ますぅ」


カ「はぁあ。頭痛いわ。

 さっき話したばかりのことを、みんなだまされちゃってるってのは、わかるわよね?」

ヒ「わかるわかる♪かろうじて!」

カ「でも何て指摘したら、明らかな悪徳って証明できるかしら。うーん・・・」

するとヒナタが目を光らせた!

ヒ「ねぇねぇジュジョウジュンさん!(・∀・)」

寿「テキトーな名前を呼ばないでくれたまえ!

 誰じゃおぬしは」

ヒ「その機械、ホイフじゃないよ?

 タイソーで100円で売ってる、ただのぶるぶるマッサージ機だよ( ˊᵕˋ* )」

寿「ギクっ!何を申すか!

 これはヒボンという科学大国からわざわざ取り寄せた・・・」

ヒ「アタシ、ヒボンの美容大好きっ子選手権第一位ですからぁ( ̄д ̄)

 プチプラ部門でも第一位ですからぁ( ´∀`)b」

衆「なに?専門家が何か指摘してるぞ!?」

衆「たしかにあの子のほうがお肌ツルツルで説得力がありそうだな!」

カ「悪事の証明としては押しが弱いけど、面倒くさいからもう倒しちゃいましょ。

 ヒャダ・・・

寿「むむむむ!

 かくなる上はっ!!!!」

ヤバいと思った寿孝人は、なんと黒髪ロングのカツラをかぶり、若い女性の服を着こんだ!

そして、人ゴミの中に逃げだした!

カ「逃げるわ!」

ヒ「ふはははは!元バレー部と競うつもりかね!」


ヒナタは追いかけた!しかし寿孝人は思いのほか速い!

ヒ「速いぞ爺さん!Σ(゚□゚︎`)」

カ「どうして!?エステだけじゃあんな若い体で居られるはずがないのに!」

寿「ふはははは!

 体は半分サイボーグ化しているのだ!」

寿孝人はデパートに入ってしまいそうだ!ヒナタよりも逃げ足が速い!

カ「まずいわ!!」

ヒ「逃がすかぁっ!!」

なんとヒナタは、臭い香水を寿孝人にぶちまけた!

ミ「ナイスアイデア!!」

しかし・・・

ヒ「はぁ、はぁ、あとはよろしく(^▽^;)」

カ「15歳のクセにバテるの早いわよ!

 しょうがないわねぇ!」

今度はカンナが駆け出した!

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