エピソード10 『私の彼は有名人』
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- 2023年3月27日
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エピソード10
彼と、念願のお食事デートだ!
…彼にとっては単なる「打ち上げ」だが、私にとってはデートと大差ない。
私は、ミラノ風ドリアとルッコラサラダを注文した。
ミラノ風ドリアなら、割りと早く出てくる。寒かったしお腹がペコペコだったから。
彼はオーダーを終えると、
フシギそうに、私を見つめた。
「…そういえばさっき、
パワープレイがどうとか、言ってたよね?」
あわわわわわわ!!!
私は、何をどう説明すればよいやら、戸惑ってしまった。
「トモの恋を応援するために、先輩がパワープレイしてくれたんです」
いや、そんなことは言えない!
私はシドロモドロになりながら、要点だけを上手くかいつまんで、
彼に事情を説明した。とにかく、大学で毎日、あなたの曲が流れたのですよ。
彼は、満面の笑みで喜んでくれた。
彼の喜ぶ顔を見るだけで、私はエクスタシーだった。快感なのだ。
いや、喜んでいない彼の顔だって、眺めてて気持ちが良い。
それが今、目の前にある。わずか1メートルの距離だ。
私は、追いかける恋愛にのめりこむ女性たちの気持ちが、理解できるようになった。
尽くされる恋愛に勤しむ女性からすれば、「かわいそうな恋」に見えるらしいが、
それは全く、勘違いも甚だしい。
「顔を眺めてるだけで幸せ」と感じられる相手なら、不毛なことなど何も無い。
ただそばにいるだけで、いや、眺めているだけで、
それだけでもう、喜びに満ち、幸福になってしまうのだから。
私が思うに、彼氏にプレゼントを期待したがってるコたちは、
本当の恋をしていないのだ。
彼女たちは、その彼に惚れているのではなく、「彼のお財布」に惚れているのだ。
『私の彼は有名人』



