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エピソード10 冒険

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月10日
  • 読了時間: 2分

エピソード10 冒険


数日後、

ミシェルとキャロルは冒険を決行した。

「駅にお友達をむかえにいきます」と書き置きをのこし、

二人は両親の目を盗んで、家を飛び出した。

「お姉ちゃん。こんなヘンな言い訳でだいじょうぶなの?」

「だいじょうぶよ。何でもいいの。

 私たちしょっちょう、秘密基地に行ったまま夜まで帰ってこないでしょ?

 だからパパもママも、たいして心配したりしないわ。」

キャロルはミシェルの手をぎゅっとにぎった。とても頼もしく思えた。


2人は、テミス教会まで歩いて出た。

教会の前に座って、車を持つ人をさがした。

「北の町」と書いた紙を胸にかかげた。ヒッチハイクをするつもりだ。

「教会に来る人は、優しい人が多いはずよ」ミシェルはそう考えた。


釣り針がゆれるまで、そう時間はかからなかった。

「あらあなたたち、何してるの?」

声をかけてきたのは、ほかでもなくあのシスターであった。

「あ、おばさま!

 私たち、北の町まで行きたいの。お祖母(ばあ)ちゃんのお見舞いに行きたいの。」

「あら、二人だけで行くの?ご両親はどこ?

 それより、あなたのお祖母さまはお2階でご同居(どうきょ)でしょ?

「え!?えっと、その…」

 知恵者であるミシェルも、さすがにアドリブがきかなくなってきた。

 よりによって、祖母の存在を知る者に話しかけられるとは思っていなかった。

「あのぅ。えっと、ママには内緒で…」

「え、なぁに?」

「あのぅ…そのぅ…」

ダメだ!連れもどされる…!!



『ミシェル』

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