エピソード12 『花ちゃんのつぶやき』
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- 2023年4月13日
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エピソード12
私は、
本当に、本当に、恵まれたスイートピーでした。
素晴らしい家庭に、お嫁に行くことが出来ました。
彼らは、
「花を愛する」ということを、よく理解していました。
水のやり過ぎにならないように、水が腐らないように、
いつ、どの程度の量、水を換えれば良いかを、
私に尋ねてくれました。その通りにしてくれました。
おかげで私は、
可能な限り長い寿命を、全う出来たのです!
…いや!
彼らはそればかりか、
私に「永遠の生命」を授けてくれたのです!
私の生が、老化に向かい始めたのを察知した女性は、
私を「花瓶のお家」から抜き取り、
逆さまにして、キッチンの一角に吊るしました。
…そうです!
ドライフラワーにしてくれたのです!
そのお陰で、
私は、摘み取られてから一年経っても尚、
思考する意識を残したままで、生き続けています。
「花」は、ドライフラワーにしてもらうことで、
「永遠の生命」を得るのです!
私は、そのまま、
今でも、キッチンの入り口に佇んでいます。
その家の男性は、
コーヒーを淹れるため、キッチンに足を踏み入れるたびに、
毎回、私の花弁に鼻を近づけ、香りを嗅ぎ、
「いい匂い♪」と、ささやいていきます。
私は、「永遠の生命」ばかりか、
「永遠のエクスタシー」まで、与えてもらったのです!
どうやら私は、
宇宙一幸福な、スイートピーであるようです♪
『花ちゃんのつぶやき』



