エピソード14 『私の彼は有名人』
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- 2023年3月27日
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エピソード14
ラジオ番組で賞を獲った影響は、やはり、大きかった。
彼のライブのお客さんは、さらに10人ほど増えた。これでやっと、30人。
そして、私の待遇にも、さらに進展があった。
「ライブの際、スタッフをやってくれないか」という打診である。
私はもちろん、一つ返事でOKした。
これからは、チケットを買って入場するのではなく、スタッフパスが授かれるのだ。
…ライブ代の2000円が浮いたことは、別に嬉しくはない。お金には困ってないから。
それよりも、「身内」というようなポジションに就けたことが、嬉しかった。
スタッフというのは、何をするのだろう?
ライブの際、アンケート用紙の回収作業を手伝ったり、
CD販売のデスクで、店番をするようなことだ。
…そうだ。
私は、彼がライブをしている間、
会場の外、受付ロビーのところで、待機していなくてはならなくなった…
ロビーでも、テレビモニターがタイムリーに映像を流してくれてはいるが、
生で演奏姿が見れないのは、やっぱり、寂しい…
いいんだ。これでいいんだよ。
私なんか、どうなったって良いのです。
ちなみに、
スタッフとは言っても、お給料は出ない。ボランティアだ。
ライブ後の打ち上げで、ご飯をおごってはもらえるけれど。
スタッフに昇進(?)したことは、もう1つ、弊害を生んだ。
彼のファンのコたちから、やっかみを買ってしまうのである。
特に、私よりも早くからファンをやっていたコたちからすれば、
「何であのコが抜擢されるわけ?」という、不条理を感じるらしかった。
彼女たちは、私が大学でパワープレイを勝ち取ったことも、
埼玉のFM局にコネを繋げたことも、知りはしないのだ。
だから、彼女たちには、なぜトモが抜擢されるのか、理由がわからない。
すると、
「アンタ、彼とヤったわけ?」
なんて、ストレートに怒鳴りこんでくるコも、居た。
私は当然、「NO」と答えたが、信じてもらえているかどうかは、定かではない。
その証拠に、
私がスタッフに昇格したのを境にして、ライブに来なくなってしまったコが、数人居た。
こんなふうにして、
増えたり減ったり、していくものなんだなぁ。
『私の彼は有名人』



