エピソード14 『首長の村の掟 -真実の物語-』
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- 2023年3月12日
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昼を食べた後は、
この日も、自転車であちこちを周った。
ギターを背負ってさすらっていると、あちこちで声が掛かる。
僕は、基本的には、
誰かにリクエストされなければ、弾き語りは行わない。
すると、
いつも望まれる人々の前で歌うのだから、
いつも喜ばれる。
だから、僕自身も、いつも幸福な気持ちになれる。
一切、ムダが無い。
無闇な自己主張をしなければ、争いは起きない。ムダも起きない。
また、ギターを背負ってさすらっていることは、
他者にとっても、「話し掛ける口実」になる。
多くの現地民たちは、
日本人が旅をしているのを見ると、興味津々な顔をする。
でも、普通の日本人だと、声を掛けづらい。
異性なら、ナンパかと思われそうだし、
同性でも、商売人かと思われてしまいそうだからだ。
しかし、
ギターを背負っている人間なら、とても声を掛けやすい。
「それって、何の楽器?」と尋ねられて、
ナンパだと思い込む人間は少ないし、
商売人だと思い込む人間も、少ない。
不意に、誰かが話し掛け、歌でも歌い始めれば、
他の人々も、安心して、歩み寄ることが出来る。
人だかりが出来ていれば、安心して、質問を投げ掛けられる。
…そうして、
いつの間にかに、異文化コミュニケーションが始まる。
互いに、カタコトの言葉で、必死に意思疎通を図ろうとする。
これは、現地民とすれば、
なかなか貴重な体験となる。
有名な観光都市なら、それなりに馴れっこにもなるが、
地方の片田舎だと、芸能人ばりの騒ぎになる。
芸能人でもない、名も無き人間が、
彼らに、「芸能人と交流したかのような至福の時間」を、提供することが出来る!
ギターなど背負っていなくても、
「外国人」というのは、そういうものなのだ。
「ただ、外国人である」というだけで、
誰かに、思いがけない何かを、提供することが出来るのだ♪
日本人は、世界有数の金持ち民族だ。
他の国の人々は、
こんなにも簡単に、地球の裏側には、行けない。
たとえお金があっても、
パスポートやビザの取得すら、ままならない人も多い。
であるとすれば、
日本人には、1つの使命がある。
自ら、世界の各地に赴いていって、(特に、名も無き田舎町に赴いて、)
「異文化コミュニケーション」を、プレゼントしてくるのだ。
ボールペンなんて、要らない。形ある土産物なんて、何も要らない。
笑顔と好奇心だけ持参して、さすらえば良いだけなのだよ。
…それでも、どうしても心もとないようなら、
小さな折り紙の束でも、ポッケに詰め込んで行ったら良い。
日本人なら、およそ誰にでも折れる、折り鶴も、
外国人からすれば、「何の魔法だ!?」という騒ぎになる(笑)
1つプレゼントしてやったら良いし、
新聞紙でも使って、折り方を教えたやったら良い。
カブトでもやっこさんでも、教えてやったら良い。
『首長の村の掟 -真実の物語-』



