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エピソード15 『沈黙のレジスタンス』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月8日
  • 読了時間: 2分

やがて、

この村に、ヒロト監督の一行が、発掘調査をしに来てくれた。

彼は自ら、このプロジェクトの責任者に名乗り出てくれたのだ。

「万が一ムダ骨に終わるなら、スタッフの賃金は私が請け負う」

彼はそこまで言ってくれた。


専門家が調査発掘に当たり、

またたく間に地下4階は発見された!

5階が発見され6階が発見され、8階まで発見された。

住人たちの残した文書が見つかり、

生活の様子や迫害の事実が、浮き彫りにされた。

さらに、この地にはほかにも地下都市があることも、わかった。


また、

ラーマ法王の一派に一矢報いることにも、成功した。

告発はとてもリスキーな行為だが、

ヒロト監督は断固胸を張って、それをやってのけた。

ラーマ帝国とラーマ法王は、

弾圧と迫害の悪事を暴かれ、著しく評判を下げた。



伝説の地下都市発見に伴い、

ガットキアは、一大観光地に躍り出た。

もともと、キノコ岩という奇景を持つ土地であったゆえ、

周知さえされれば、人気を集めることはたやすかった。

村の男たちは、地下都市の調査発掘の仕事が与えられた。

積年の夢は叶い、

故郷を離れることなく、子供時代と同じように、穴掘りをしていられるようになった。

またはホテルやレストランを経営し、観光業者として生業を立てた。

映画監督が幾人もやってきて、この地で映画を作っていった。


僕は、地下都市の観光ガイドをすることになった。

デニーも誘ったが、彼はそれには応じなかった。

「オレは接客なんかできないよ」と言っていた。

観光ガイドがだめでも、仕事は見つけられたはずだが、

デニーはやはり、村には戻ってこなかった。

「オレは外の世界が見たいんだ。昔からそう言ってたろ?」


全ては、丸く収まったのだ。


2016/01/26 完筆



この物語はフィクションです。

しかし、トルコのカッパドキアには、

実際に、奇岩地帯や地下都市遺跡が存在しています。



『沈黙のレジスタンス』


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