エピソード16 『アオミ姫』
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- 2023年4月1日
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エピソード16
日差しがかたむき始めた頃、
一行はついに、森を抜け出しました。
すずしい風が、ひゅるるんと吹きました。
「ご苦労さん♪」と、ささやいたのかもしれません。
森の外は、一面の平原でした。
平原の向こうに、小さな町が見えます。
「あの町まで行けば、
食べ物や寝床(ねどこ)が手に入るかもね♪」
トコッシーは、言いました。
「ねぇ、トコッシー?
着替えって、ある?」
アオミ姫は相変わらず、注文ばかりです。
「着替え?そんなの、あるわけないよ。」
「何よ!着替えも用意してないの!?フケツよ!!」
「えー?
僕の貴重(きちょう)な肌着は、キミに貸しちゃったんだけど…
キミはまた、理不尽(りふじん)なことを言うのかい?
そんなことばっかりしてたら、友達がいなくなっちゃうぜ?」
「え!?そうか…!!
私に貸してくれたから、着替えが無いってことだったのね…。
ご、ごめんなさい…。」
アオミ姫のドレスは、もう、ボロボロでした。
アオミ姫は、上半身の部分と、スカートの裾(すそ)を、破り取ることにしました。
「あぁあ、このドレス、特注の高級品だったのに…」
アオミ姫は、ショゲてしまいました。
「あははは!
高いものを持てば持つほど、失ったときに不幸がデカいんだよ!
安物ばっかり身に付けてれば、
盗まれたり壊れたりしても、ぜんぜんショックは受けないよ?
つまり、
欲張りでぜいたくな人ほど、不幸が大きいってわけなのさ!」
「なっとくだわ…
台無しになったのが肌着のほうだったら、
アオミも、ぜんぜんヘコまないのに…。」
アオミ姫は、一気に、浮浪者(ふろうしゃ)みたいになってしまいました。
フラミースのヘッドドレスも、いつの間にか、失くなっていました。
一行は、さらに、歩き続けました。
『アオミ姫』



