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エピソード18 『星空のハンモック』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月20日
  • 読了時間: 2分

エピソード18

ハルコさんの話を聞いていて、私は思い出したことがある。

サッカー教室も習字教室も絵画教室も、

たいてい、町内に2つずつあるでしょう?

1つはすっごいスパルタで、コンクール入賞者とかいっぱい輩出してて。

もう1つはすっごいゆるくて。

私はこういうのをはたから眺めていて、

スパルタのほうが良いスクールだと思っていたし、

ゆるいほうはダメな先生がやっているのかと思っていたのだけれど、

どうも、たぶん、違うのだ。

ゆるいほうのスクールには、ハルコさんみたいな先生がいる。

技術よりもメンタルを重視していて、楽しむことを教えている。

「人間が本当に幸せになる方法」を、彼女たちは教えているんだ。


ハルコさんは、ちょうど1ヶ月間、滞在していくとのことだった。

日々の暮らしと旦那さんを、大阪に残して。

「大丈夫なんですか?旦那さん、家事できるんですか?」

「大丈夫やないやろなぁ。はっはっは。」

「はっはっはって!いいんですか?」

「ええんちゃうん?多少家ん中ごっちゃになっても、ええんやと思うで。

 料理まともに作れんでも、1ヶ月なら飢え死にせんし、病気もならへんやろ。

 1ヶ月くらいなら、何食べてもええねん。

 それよかな?あたしのほうからすると、

 1年に1ヶ月くらいは、ルーチンから外れて違う暮らししたほうがええねん。

 ぜーんぜん家事せえへんとか、ぜーんぜん仕事せえへんとか、

 ぜーんぜん自治会やらへんとか、ぜーんぜん介護せえへんとか、

 そういう期間って、大切やねんな。

 好物のたこ焼きも、ぜーんぜん食べんようにすんねん。

 そういうの、大事なんやわ。」

「よく旦那さん、認めてくれましたね?」

「ははは、認めたって言うてええんかな?なかば強引やで。

 でも、あの人にとってあたしが大事な人間なら、

 あたしがこんなワガママ言っても、行かしてくれんねん。

 ワガママ言って離婚突きつけられんなら、

 そりゃあたしが役立たずやったってことやろ?

 それか好かれとらんかったってことやわ。

 あたしはそれなりに旦那の役立っとるし、旦那に好かる努力してんねん。

 だから旦那、あたしのワガママ許すねん。」

自分で自由を勝ち取っている、ということだろうか。

または、自由を育んできた、という感じかな。

ハルコさんはノマドでもないしトランクライフでもないけれど、

また違ったベクトルで、自由に生きている。


『星空のハンモック』

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