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エピソード2 『「おとぎの国」の歩き方』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月5日
  • 読了時間: 3分

とりあえず、タイムスリーって宿を探し当てる。

ガイドブックには「老舗だから安心」とか書いてある。まぁ、悪くはないよ、実際ね。

…悪くないのは、スタッフの態度のことだよ?部屋はヒドい(笑)

ざっくり言えば、廃墟みたいだよ(笑)

家具は、

ベッドにせよ机にせよ、粗大ゴミ拾ってきたようなオンボロでさ。

ベッドのシーツは、換えてんのかな?わかんない。

ここのシーツは交換されてるとおもうけど、

50m向こうにあるボロ宿は、たぶん、シーツ換えてないよ(笑)

90歳くらいのオンボロ爺さんが経営してたけど、

シーツもきっと、90年間換えてないんじゃないかな(笑)

そういうのがまかり通る町なんだよ。ここはさ。


えっと、タイムスリーの部屋のハナシに戻るけど、

シャワールームだって、絶好調にボロい。ホントに廃墟みたいだよ。

水漏れするのは当たり前だし、洗面台の陶器は汚く黒ずんでるし。

便器なんか、便座がナイ。考えられる?便座がナイんだ。

和式って意味じゃないよ?洋式だけど、壊れてんのさ。便座が取れて、ビデみたくなってる。

シャワーのお湯は、出ない。

夏は暑いから、水シャワーだけでなんとかなるけど、

冬場はスタッフに言って、お湯をわかしてもらう必要があるね。

「お湯くれ」って言えば、バケツに1杯、熱湯をわかして持ってきてくれるよ。

それを水で薄めて、人肌温度のお湯をこしらえて、

頭洗ったり体洗ったりするんだよ。

100年くらい前までは、日本もこんなカンジだったんじゃない?

まぁ、慣れちゃえばどうってことないよ。

ただし、「お湯くれ」ってお願いしても忘れられたりして、

2時間待ってもまだ来ないこととか、あるけどね(笑)

これで、1泊300ルピー取る。日本円にして600円くらいかな。

「安いじゃん」って思うかい?安くないよ(笑)

チャイ(ミルクティー)が6円の国だからね!

現地物価を日本の1/10と換算したとしても、

600円ってことは、6,000円も取ってるってことさ!

日本で、廃墟みたいなオンボロに6,000円も取ったら、どうなる!?死刑だよ(笑)

コルカタは観光地で、土地の値段がとても高いんだろうけどさ。

それにしたって、良心的な値段とは言えないさ。


「そんな宿、選ばなきゃいいのに!」って君は言うかい?

まぁその通りなんだけどさ。

でも、「おとぎの国」に憧れてんだったら、

これくらいの宿には免疫つけといたほうがイイぜ?

「おとぎの国」だって、

廃墟じゃないにしたって、秘密基地だからさ。大差ナイよ。

それに、インドっていう国に来るなら、

こういう安宿を垣間見ておいたほうがイイんじゃない?って思うね。

これこそが、「インドらしさ」だからさ。

「インドらしさ」ってのは、

タージマハルのことじゃないし、カレーのことじゃないんだよ。

こういうボロっちい宿が、

タイムマシンも発明されようかっていう21世紀になってもなお、

当たり前のようにのさばってるってのが、「インドらしさ」なのさ。

「インドに病みつきになっちゃった!」とか笑ってる君のイトコの耕太郎くん、いるでしょ?

彼が病みつきになったインドってのは、つまり、こういうカルチャーショックのことなんだよ。



『「おとぎの国」の歩き方』

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