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エピソード2 『守護天使 -愛と奉仕の物語-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年4月2日
  • 読了時間: 2分

エピソード2

石の暮らしは、皆さん人間よりも、ずっとノンストレスです。

朝7時にたたき起こされることはありませんし、

学校に通う必要もありません。

パパに怒られることもありませんし、会社に勤める必要もありません。

地震も怖くないし、雪が降っても寒さは感じません。


けれども、

私たち石は、動くことができません。

ただただ、同じ場所で世界を眺めていることしか、出来ないのです。


私はまだ、ラッキーなほうだったと言えます。

住宅街の公園の中であれば、人の出入りが激しいからです。

すると、毎日それなりに、新しい物事に出会えます。

これがもし、アララト山の谷合いにでも産まれ落ちていたなら、

100年経っても1,000年経っても、

およそ、枯れ木のそよぎとワシの飛翔くらいしか、見えるものが無かったでしょう。

おしゃべりは、可能です。

口はありませんし声も持っていませんが、テレパシーが使えます。

遠くの石とも話せるには話せるのですが、

遠くの石のことは知らないので、必然的に、近所の石とばかり話をします。

「先週引っ越してきた女の子、双子だったのねー」

とか、そんな些細な会話です。



そういえば、

自社仏閣では、石を神として奉っているところがありますね。

あれは、その石が神職者に話し掛けたことがキッカケでしょう。

霊聴が発達しているなら、石が語りかけることもありましょう。


古くから鎮座する大きな石は、

それだけ多くの物事を見聞きしてきています。

ですから、人間に対して、アドバイザーのようなことも出来るのです。


『守護天使 -愛と奉仕の物語-』

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