エピソード20 『沖縄クロスロード』
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- 2023年3月14日
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エピソード20
22時頃には、宴もたけなわになった。
旅行者たちは順番に、シャワーに入りはじめた。
そして順々に、ベッドにもぐりこんでいった。
結び宿のドミトリーベッドは、リビングと地続きになっている。
ゆんたくがうるさくて睡眠どころじゃないんじゃないか…正直、ちょっと心配だった。
見知らぬ人たちとシャワーやトイレを共有するのも、
やってみれば大して苦には感じなかった。
見知らぬ人っていうか、
いざ会ってみれば、むしろ クラスメイトよりも信頼できる人たちだったし。
汚らしく乱雑に扱うような人もいないし。
誰かのためにシャワーの順番を譲るのも、むしろ心地よく感じられた。
軽く人助けしてるような気持ちになる。
家ではそんなふうには感じられない。
お母さんにもお父さんにも、ユカのタイミングを邪魔されたくはなかった。
それが身勝手っていうことだ。今思えば情けない。
なんで、ゲストハウスに居ると優しくなれるんだろう?
寝るのも、そんなに辛くなかった。
消灯の時間が決められているから、深夜0時にもなればしっかり静かになる。
2段ベッドにはちゃんとカーテンが設けられていて、
ユカのアホな寝顔を見られることもない。
っていうか、見られても別にイイやと思えてきた。
「心を開く」ってそういうことなんだ。
アホはアホなんだから、猫かぶっても仕方ないや。
それに気付いてから、人間関係がすごくラクになってきちゃった。
疲れていたから、すぐに眠れた。ぐっすり眠れた。
この日は、たくさんたくさん夢を見た。
冒険する夢を、たくさん見た。
『沖縄クロスロード』



