エピソード24 『名もなき町で』
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- 2023年3月16日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年1月12日
エピソード24
何もない日にブラブラ散歩してみても、面白いよ。
子供たちは、道ばたで楽しそうに遊んでる。トルコの田舎町みたいに。
彼らにはDSなんて必要なくて、カヌーだって本当は必要ない。
集落を縦断している川原は、夏の子供たちには天国で、
水浴びして涼みながら、泳いだり虫取りしたりする。
体育と理科を同時に勉強してるようなモンだ。水浴びしながら。
田舎の子供たちからすれば、
電車に乗ってプールに行くなんて、本当にバカらしい。
家から歩いて1分のところに、もっと楽しい無料の水場があるんだもの。
集落は、旧市街のように迷路で、散歩するだけでも楽しい。
崖地に家が立ち並ぶので、上ったり下ったりも面白い。
庭先には漁の道具がとっちらかっていて、
何に使うものやらよくわからなくて、そんなことも楽しい。
学校には、警備員が立っていたりはしない。
部外者の僕が立ち入っても、誰も怒りはしない。
「ちょっと学校を見せてもらってもいいですか?」とあいさつすれば、
ほがらかな返事がかえってくる。
「あぁ、キャンプ場の人ですよね」学校の先生も、僕のことを知ってくれている。
図書室に入ってみると、思いのほか、書籍は充実してる。
そして、児童のみならず、村人誰もが借りれるように開放されてる!
司書が厳しく監視してたりもしない。貸し出しノートにジブンで名前を書けばいいんだ。
僕にとっては、こういう文化が心地よい。
信頼に基づいた、自由で開放された暮らし。
1日のうちで1分たりとも、緊張を感じることがない。
校庭で子供たちと鉄棒遊びしてから、学校をあとにする。
『名もなき町で』



