エピソード26 『リストラ後の7回裏で…』
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- 2023年3月26日
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エピソード26
四女・結衣は、
更に、面白いことを言い出すのでした。
「お父さん、ウーフーって知ってる?」
「ウーフー!?
…ひょっとして、
W・W・O・O・Fの『ウーフ』のことか?」
「そう!それ♪
私、ウーフの制度を使って、
一般人のお家に、泊まってくる!」
「ウーフ」というのは、
まだ、ほとんど認知されていない制度かと思います。
これは、世界各地の旅人たちを繋ぐネットワークで、
これに登録している人たちは、
農家稼業などを手伝ってもらう代わりに、旅人の長期滞在を受け入れるのです。
ウーフの利点は、
もちろん、滞在費を中心に旅費が節約出来ることです。
ヨーロッパなど、物価の高い国であればあるほど、
金銭的メリットは高いと言えます。
逆に、欠点を挙げるとすれば、
登録している人々の素性が、不明瞭であることです。
例えば、
若い女性を招き入れて、良からぬ事を企む輩も、居るかもしれません。
東南アジアなど、治安とモラルの低い国であればあるほど、
犯罪に巻き込まれる危険性も、増加します。
…私のように、
年頃の娘の父親としては、
東南アジアにウーフで旅をすることを、一つ返事で了承するのは、
如何せん、難しいところがあります…
「オマエ…
ウーフの危険性についても、理解しているのか?」
「うん。
レイプに遭った人も居るって、聞いたよ。」
「それなのに、ウーフを選ぶのか?
お金が、あんまり貯まってないのかな?」
「お金は、20万くらいは、あるよ。
ラオスなら、足りるよね?」
「期間にもよるけど…
ウーフで節約しないで、それなりの宿に泊まったとしても、
1ヶ月はゆうに滞在出来るぞ?
オマエ、そんなに長期で行きたいのか?」
「んー。
行ってみないとわかんないけど、
1ヶ月くらいかなって、思ってたよ。
…てか、私、別に、
お金浮かすためにウーフやるんじゃないよ?」
「なんのために、やるんだ?」
「フツーの人たちの家に、泊まりたいからだよー!」
「フツーの人の家に泊まって、どうするんだ?」
「フツーの人たちの暮らしを、体験するんだよー!」
決まってんじゃん!」
…それはまさに、
若い頃の私が旅をした理由そのものでした…!
『リストラ後の7回裏で…』



