エピソード27 『ミシェル2 -世界の果て-』
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- 2023年3月24日
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エピソード27
シャウエンは、ポストカードに描かれている通り、水色の町なの。
見事なまでに水色よ。あっちもこっちも水色に塗られてる。
白いところもあるけどね、でも差し色程度で、あとはあらかた水色なの。
水色なだけじゃないのよ、この町の魅力は。
迷路なの!迷路みたいに路地が入り組んでいるのね。
旧市街ってどこも迷路みたいだけど、シャウエンはいっそう迷路なの。
どこもかしこも水色で、近代的な建物や派手な建物が全然ないから、余計に迷路だわ。
私さっそく迷ってしまったけど、大丈夫なのかしら?
わかんないけど、まぁいいわ。
レオはどこにいるのかしら?
いや、その前に今日のホテルを確保しなくちゃ。
いやいや、その前に少し何か食べたいわ。
何を優先していいのかわかんないし、どれも周りには見当たらないしで、
私はちょっと混乱気味よ。落ち着いてミシェル。
きょろきょろしながら歩いていると、軒先にガーデンテーブルを出してる家を見つけたわ。
そのイスではほおっかむりをしたお婆ちゃんが、何か緑の葉っぱを入れたお茶を飲んでる。
ここは食堂かしら?
「おはようございますお婆さま。ここは食堂ですか?」私は玄関越しに声をかける。
「あ?」
「お婆さま。ここは食堂ですか?」私は勝手に中に入って、再びゆっくりと、丁寧に尋ねる。
「……。」お婆ちゃん、どこかよそを見て何か考えてる。そして口を開く。
「西洋人か?」
「え?」今度は私が聞き返す。食事の話題と全然関係ない言葉なんですもの。
「西洋人か?あんたは。」
「え、えぇ。そうですけど。」
「向こうじゃ。」お婆ちゃんは、道のさらに先を指さして言う。
「向こう?」
「西洋人がおる。」
…どうも、お婆ちゃんは英語があまりわからないから、
近所に住んでいる西洋人にパスしようとしたのね。
「あ、どうも。」
お婆ちゃんは食事も宿も教えてくれそうになかったから、
素直に素通りすることにしたわ。
西洋人がいるの?ひょっとして、レオかしら?
私はまたドキドキしてきちゃった。レオなはずないけれど、でもレオかもしれない。
しばらく歩いても西洋人の姿なんて見えないから、聞き込みをすることにしたわ。
「この辺りに西洋人はいませんか?」
みんな英語はあまり得意ではないらしく、「あっちだ」「こっちだ」しか言わないけど、
でも知ってはいるみたい。
指をさされるがままに、角を2つ曲がって、路地を2つ歩いたわ。まぁそんな感じ。
導かれた場所にあったのは、小さな民芸品屋だったの。民芸品工房。
ここで民芸品を作って、そのまま販売しているのね。
店先に、麻袋に詰められた色とりどりの染料が並んでる。
私はドキドキしながら、そーっとお店をのぞく。
『ミシェル2 -世界の果て-』



