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エピソード3 『トトロの森のけもの道』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2023年3月23日
  • 読了時間: 3分

エピソード3

…そういうワケで、

「路上」が終わったら、

ヤツに連絡する約束をしたワケなんだけどさ?

ヤツ、

約束なんて、サッパリ守らないんだよ!

困っちゃうなぁ、もう。


…「路上」が終わる前に、

「待ちきれなかった!」とか言って、

僕の前まで、迎えに来やがったのさ(笑)



んで、

楽器やら小道具やらの、片づけを手伝ってくれて、

荷物を半分、車まで運ぶのを、手伝ってくれたのさ。


ヤツは、基本的に、優しいんだ。

バカだけど、優しいんだ。

漢字は読めないけど、ヒトの心は、読めるんだよ。

英語も読めないけど、空気は、読めるんだよ。



…実際のところ、

ヤツは、ものスゴイ天才になる可能性を秘めてることを、

僕は、…僕だけは…見抜いてんだよ!

ただ、単純に、

自分の興味のナイことには、一切、アタマを使わないのさ。

必要なことにだけ、思考や気遣いを、注ぐのさ。

ものスゴイ「省エネ男」なんだよ。

愛車もハイブリッドなら、アタマも、ハイブリッドなんだ(笑)



…そうして、

ヤツの車に乗り込んだときには、

時間は、夜中の11時半頃だったかなぁ。


「ムカイくん、どうする?」


「どうするも何も、

 広島だか京都だか、行くんだろ?

 今度は、お好み焼きでも食いたくなったんか!」


「それがさぁ…

 日曜までオフのはずだったのが、シゴトになっちゃたんだよ!

 だから、時間が丸1日しかナイから、

 西日本まで行ったら、帰ってこれなくなっちゃうやぁ。」


「えー!?

 オマエが、日曜の夜までフル活用するって言ってたから、

 僕、土日とも、バイト、キャンセルしたんだよ!?

 怒られながらも、キャンセルしたんだよ!?」


「スマンねぇ」

…ゼンゼン、申し訳なさそうな顔もせずに、

タバコに火を点けたり、してんだ。


「オイ!

 吸うなら、窓、開けてくれ!!」

僕は、タバコがキライなんだよ。


…だから、基本的に、

喫煙者とは、ツルまないんだけどさ。

ヤツに限っては、

タバコの煩わしさをガマンしてでも、遊ぶ価値があると感じるから、

こうして、時々、ツルむんだ。



「…でさぁ、ムカイくん、

 近場だったら、ドコ行きたい?」


「…だから、オマエは、

 イキナリ振られたって、コッチは答えに困んだから、

 最初っから、

 『近場に変更!リサーチしといて』とか、

 メールでも入れとけっちゅうんだよ!」

…基本的に、

ヤツと喋ってるだけで、漫才になっちゃうんだ(笑)



…知ってる?

ボケが上手いか、ツッコミが上手いか、

いずれにせよ、漫才が得意になっちゃったヤツらはさぁ、

「お笑い番組を、わざわざ録画してまで見る」とか、

「ルミネ劇場まで行って、2,000円払ってライブ観る」とか、

「400円払ってDVD借りてくる」とか、

そういう必要が、なくなっちゃうんだよ。


人間、誰しも、

ボケかツッコミか、

いずれかの才能は、最初っから、標準装備してるモンなんだよ。

問題は、

「その才能を、伸ばそうとするか否か」ってコトなんだ。

自分の「笑い」の才能を、伸ばそうとしないヒトたちは、

お笑い芸人や商業者に、延々と、お金を払い続けるのさ。


『トトロの森のけもの道』

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