エピソード3 『ドヴォルザークの再来』
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- 2023年4月6日
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エピソード3
ナカジマさんは、「もう一つの顔」を、持っていたよ。
僕は、吹奏楽部に所属していたから、
「顧問・指揮者としてのナカジマさん」も、垣間見ているんだ。
ナカジマさんは、
部活の指導をする際には、チョっと違った。
「楽しければイイじゃん♪」
というような軽いノリでは、ナイんだ。
…何しろ、
わざわざ吹奏楽部に入部してくるようなヤツらっていうのは、
「少々楽しくナイ思いをしたって、音楽に取り組みたい人たち」だからさ?
だから、
部活で合奏を指揮したりする際には、
個人で演奏させることもあるし、
コトバでもって、細かい指摘をしたりも、するんだ。
かと言って、ナカジマさんは、
部活でもやっぱり、指揮棒を握ってもやっぱり、
「ユーモラスで優しいヒゲ親父」というキャラは、変わらない♪
生徒を怒鳴り散らすようなことは、よっぽどじゃナイ限り、しないし、
適度にユーモアを挟んで、みんなを和ませる配慮を、欠かさない♪
クラシックの指揮者には、
神経質で怒りっぽい、威圧的なヒトが多いから、
ナカジマさんのキャラクターは、天然記念物みたいなモンさ(笑)
ナカジマさんは、
「音楽家として、中身のナイ人間」というワケでは、決して、ナイ!!
彼は、
指導者としての、卓越したスキルと感性を、持っていたよ。
全国大会に出ることだって、可能だったろうと思う。
…ただ、
僕らの学校の吹奏楽部員たちは、
「コンクールで入賞する」ってコトに対して、
そんなに、価値を置いて無かったんだよね(笑)
それなりに、みんな、頑張りはするのだけれど、
ストレスで胃を壊してまで、コンクールに賭けたいとは、思わないのさ。
コンクールで金賞を獲る学校っていうのは、
どこもかしこも、軍隊みたいに厳しいトコばっかりなんだ。
僕らは、
ああいう環境の中で音楽をやることを、望んでは、いなかったよ。
そして、ナカジマさんは、
そんな僕らの活動方針を、尊重してくれたんだ。
「シビアになり過ぎない程度に、しっかり教える」
というようなラインを、大切に、守り続けてくれていたよ。
『ドヴォルザークの再来』



